7465 米オバマ政権は半径80キロ以内の避難指示 古沢襄

関東は暖気が訪れているが、東北の太平洋沿岸は厳しい寒さが続き、各地ですでに氷点下の冷え込みとなっている。NHKによれば朝の最低気温は、仙台市や岩手県大船渡市、福島県相馬市で氷点下2度、青森県八戸市や岩手県宮古市で氷点下1度などと予想されている。
茨城県も震度四クラスの余震が続くので、愛犬バロンがその度に足元に飛んでくる。気象庁によると、今後も震度5弱以上の余震が起きる可能性があるという。
それにしても福島第1原発事故が自衛隊や東京警視庁の放水作業にかかわらずまだ安全な状態に至っていない。放射線洩れもかなりの数値を示している。大阪市は18日、総務省消防庁からの緊急消防援助隊の派遣要請を受諾したという。危険な作業だが消防車を集結して一日も早く放射線洩れを抑えてほしい。
米オバマ米政権は16日、福島第1原発の半径50マイル(約80キロメートル)以内の米国民間人と軍人に対し避難を指示した。米ウォール・ストリート・ジャーナルは仙台で米国大使館が手配した成田空港行きのバスを待つ米国人の写真を報じている。
米政府が福島原発から半径80キロ以内の避難指示を出したが、日本政府は半径20キロ以内の避難指示のままである。韓国政府も「原発周辺半径80キロ以内の韓国国民に待避を勧告した。仙台総領事館と現地に派遣された迅速対応チームが待避に必要な支援をしている」と述べたと中央日報が報じた。
しかし米国の原子力推進団体は半径80キロ避難指示の「科学的根拠」が疑問だとオバマ政権に噛みついた。米ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えているが、原発推進派が日本政府の半径20キロ避難指示を支持しているような印象を受けて奇異に映る。
【ワシントン】オバマ米政権が16日、福島第1原発の半径50マイル(約80キロメートル)以内の米国民間人と軍人に対し避難を指示したことについて、米原子力業界の推進団体は決定の「科学的な根拠」が疑わしいと述べている。
オバマ政権が決定した在日米国人の50マイル隔離指示は同日、米メディアで大々的に報じられた。日本政府が半径12マイル(約20キロ)からの避難指示にとどめており、原発周辺地域のリスク査定で米政府が日本政府の見解に同意していないことを示唆しているからだ。
米原子力研究所(NEI)の広報担当、スティーブ・ケリークス氏はダウ・ジョーンズ(DJ)通信とのインタビューで、原子力発電関連業界は米政府の措置の「科学的根拠に疑問を抱いている」と語った。
同氏は、放射線の飛散に関する入手可能なデータに基づけば、日本の12マイル隔離方針が「一般人の健康上の影響を最小限にするのに十分」であるかにみえると述べた。ただしNEIがホワイトハウスないし他の政府機関にこうした見解を伝えたかどうか知らないと述べた。
米原子力産業を監督する原子力規制委員会(NRC)のスポークスマンからのコメントは得られていない。
NEIは最近、連邦議会議員少なくとも一人にその見解を伝えている。原子力推進議員で、下院エネルギー商業委員会の委員長も務めたジョー・バートン下院議員(共和、テキサス州)だ。
バートン議員はダウ・ジョーンズに対し、「米政府がなぜそうするのか、ある程度理解できるだろうが、NEI関係者は(50マイル避難が)必要をはるかに上回ると言っている」と語った。
日本政府が福島原発の危機封じ込めに四苦八苦している中で、米原子力業界や議会の原子力推進派議員は米国内の原発の安全性弁護に追われている。
NRCのヤッコ委員長は16日、米政府が日本政府以上の半径の退避を勧告したのは、福島原発の4号機の使用済み核燃料プールをめぐる懸念も一因だと述べた。同委員長によれば、このプールの水が蒸発してしまい、放射線が飛散し核燃料発火のリスクが増大しているという。同委員長は3号機でも亀裂によってプールの水が漏れ出す恐れがあると述べた。
下院エネルギー・電力小委員会のエド・ホィットフィールド委員長(共和、ケンタッキー州)はダウ・ジョーンズに対し、「日本はこの危機に対処できる専門知識があるし、原子力を理解している科学者もいる」と述べた。ただし「米政府には米国の市民保護に関わる権利があるし、われわれがしたいことをする権利がある」とも語った。
NRCの50マイル退避勧告については「憂慮する科学者同盟(UCS)」も批判しているが、別の理由からだ。UCSは、米国内での緊急避難計画の避難範囲基準が10マイルであるのに、どうして50マイル避難を勧告できるのかと疑問を呈した。
UCSの原子力の専門家デービッド・ロックボーム氏は「米国で半径50マイル体制を敷いていないのをどう正当化するのか」とNRCを批判し、「われわれは長い間、緊急避難地域を拡大するよう提唱してきた」と語った。
UCSは17日、2010年に米国内の原発で14の「ニアミス(事故の危機)」があったと発表。事前の警告に耳を貸していればこうしたことはなかったはずだとしている。(ウォール・ストリート・ジャーナル)>
<韓国政府は福島原発の放射性物質流出など緊急状況が発生すれば、軍用機を投入してでも同胞を退避させると明らかにした。
韓国メディアによると、閔東石(ミン・ドンソク)外交通商部第2次官は今日、ハンナラ党の日本地震被害対策特別委に出席し、「状況が悪化した場合、軍用機と海上警察警備艦を総動員し、同胞を待避させる計画」と述べた。
また「国土部、関連航空会社と協議して帰国航空便を増やし、飛行機チケット料金も往復料金を片道料金で受けられるよう協議している」とし「現在のところ原発周辺半径80キロ以内の韓国国民に待避を勧告した。仙台総領事館と現地に派遣された迅速対応チームが待避に必要な支援をしている」と説明した。(中央日報)>
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