首相官邸からは党利党略的な情報がリークされてくる。菅首相が自民党の谷垣禎一総裁に入閣要請するという話も具体的な打診工作は一切無い。谷垣氏は「全くそういう事実はない」と記者会見で否定した。
また党内反主流派の小沢一郎氏と会談するという話が流れたが、まだ実現していない。野党に入閣要請する前に党内反主流派に協力要請するのが筋であろう。
小沢氏も自身のホームページで「勇気と英知を結集して、この危機を乗り切らなければならない」と首相に協力する姿勢を示唆しているのだから、もっと早くに小沢氏と会談すべきであった。
<自民党の谷垣禎一総裁は19日午前、菅直人首相が東日本大震災の救援・復旧や東電福島第1原発事故対策などのため野党幹部の入閣打診を検討していることに対し、「打診に応じる考えはない。一切考えていない」と述べた。党本部で記者団に答えた。閣僚枠の増員とともに首相が今後、正式に入閣を要請した場合でも、党として応じないとの考えを表明したものだ。
その上で谷垣氏は「われわれは災害対策と原発災害で協力を惜しむつもりはない。すでに与野党の協議会を提案し設置した。だから菅さんには全力をあげて今の対応に取り組んでほしい」と述べた。すでに首相側が谷垣氏自身に入閣を打診しているとの見方についても「全くそういう事実はない」と否定した。
谷垣氏周辺も「事実無根だ。こうした官邸の動きは大変、謀略的だ」と批判。「非常時に政局的な動きを仕掛けるヒマがあるのか。自分たちで対応できないなら政権を明け渡すべきだ」と語った。
一方、公明党幹部も18日、産経新聞の取材に対し、「ほとんど倒れかかっている菅政権に1人、2人が入ってどうなるのか。力をふるえないまま政治責任を負わされるだけになる」と指摘し、野党幹部の入閣は好ましくないとの見方を示した。(産経)>
<菅直人首相は19日午前、民主党の鳩山由紀夫前首相、小沢一郎元代表、前原誠司前外相を首相官邸に呼び、東日本大震災の被災者支援や福島第1原発事故への対応をめぐり意見を聴く。政府の危機管理対応に批判も出る中、党代表経験者と意見交換することで、有効策を探る狙いがある。
震災発生前は、小沢氏に近い議員らが首相退陣を要求するなど、党内対立が深刻化していた。しかし、小沢氏は自身のホームページで「勇気と英知を結集して、この危機を乗り切らなければならない」と表明、首相に協力する姿勢を示唆した。
会談では、未曽有の危機に対し挙党態勢を構築し、震災対策に全力を挙げる方針を確認する見通しだ。(時事)>
<未曽有の大惨事に直面した菅直人首相が異例の人事に踏み切った。1月の内閣改造で事実上更迭した仙谷由人民主党代表代行の官房副長官起用は、窮地の首相がなりふり構わず、仙谷氏に助けを求めた格好だ。東日本大震災、原発事故の対応でてんやわんやの首相官邸。首相は、官僚を掌握し突破力のある仙谷氏に、震災対応などの手腕を期待しているとみられる。
仙谷氏は官房長官時代、内政・外交両面で辣腕(らつわん)を振るい、存在感を発揮。国会審議では首相に代わって答弁に立ち、野党から徹底批判されながらも、菅政権を支えてきた。
現在の枝野幸男官房長官は仙谷氏の「子飼い」とも指摘され、人事の上では仙谷氏が枝野氏の下に就く形となるが、「降格」の意味合いは薄い。官邸筋は「非常時だから仙谷氏しかいない」と語る。
実際、15日の政府・民主党連絡会議では、物流関係車両を除く通行規制の必要性を主張するなど、政府対応の問題点を指摘。「理論先行型」が多い同党議員の中で、政治的な調整能力は群を抜いている。
菅政権には被災者支援、原発対応など現在進行形の課題に加え、復興計画策定など中長期の課題が山積。首相が仙谷氏を呼び戻したことは「民主党政権の人材不足の裏返し」とみる向きもある。(時事)>
杜父魚文庫
7472 谷垣入閣要請よりも小沢氏との会談が先 古沢襄

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