アメリカの官民の日本支援の実態紹介を続けます。米軍の支援の規模の巨大さはすでに報じてきましたが、沖縄に駐留する米軍海兵隊の活動も目立ちます。
沖縄駐留海兵隊だけで3月22日一日に毛布2300枚を含む さまざまな資材を被災地に送りこんだと発表されましたが、中国が国全体として毛布合計2000枚ほどを寄贈したという報道をみました。毛布だけでいうならアメリカは2万5000枚という数字が出ていました。
中国全体からよりも多い数の毛布を沖縄海兵隊だけで、しかも一日分として2300枚が贈られてというのは、なんだか象徴的です。小さな点の揚げ足をとるようでもありますが、米中両国のコントラストでもあります。
さて以下は日本ビジネスプレスの私の連載コラム「国際激流と日本」のレポートの続きです。なお原文へのリンクは以下です。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5754
フェアファックス郡捜索救助隊の本来の任務である、埋もれた被災者の捜索と救助という作業は、現地ではもう緊急必要度が低くなったため、帰ってきたのだという。
午前4時近くという時間にもかかわらず、この帰還式には藤崎一郎駐米日本大使が来ていて、救助隊員全員に「あなた方の尽力は、米国が日本の真の友人であることを証明した。日本国民はその貢献を決して忘れない」と挨拶した。隊員たちは全員が起立して、大使への感謝と激励の拍手を送った。
<<被災地の支援のために大々的に米軍を動員>>
こうした支援は、米国の巨大規模の日本への緊急援助のほんの一端だった。米国での官民を挙げた日本支援の広がりは実に驚嘆させられるほどである。
ワシントンで次々と明らかにされる支援の拡大は、日本人として感激させられた。まず最大の物理的な援助は、米軍の陸海空での活動だった。合計二万数千人もの将兵が「トモダチ作戦」と呼ばれる日本救援活動に投入されたのだ。
米海軍では、原子力空母の「ロナルド・レーガン」と揚陸艦「エセックス」を主体に合計20隻以上が三陸沖などに出動し、ヘリコプターや水陸両用車両を動員して、日本側の避難所合計90カ所近くに人道支援物資300トン以上を送りこんだ。
海兵隊では、沖縄駐留の第31海兵隊機動展開部隊がヘリ約20機、水陸両用車両約150台を投入し、22日だけで医薬品約8000箱、毛布2300枚を送りこんだ。
空軍では輸送機を動員し、被災地に必要な発電機、ポンプなどの大型機材をピストン輸送した。22日だけで200トン以上の貨物を運んだ。
陸軍では約500人が支援活動に参加し、日本の被災者たちに毛布を数千枚単位で提供している。
米国は、最も懸念する福島原発の放射能漏れに対して、原子力専門家50人ほどを日本側に送りこんだ。オバマ政権の原子力規制委員会から10人ほど、エネルギー省からは40人ほどだという。
米国の軍や政府のこうした大規模で敏速な支援活動は、やはり日米同盟の堅固な機能を感じさせる。同盟相手だからこその軍隊を自由に動員しての支援活動だと言えよう。(つづく)
杜父魚文庫
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