7571 イランの核武装を手助けしている中国? 宮崎正弘

イランのナタンズ原子炉は明らかに核兵器を製造中。国際的制裁の網をかいくぐって機材や材料を密輸する中国。
パキスタンの「核の父」といわれたカーン博士は、リビア、イラン、そして北朝鮮の核武装を手助けしていた。パキスタンはカーンの「罪」を許し、海外渡航は禁じられているが、国内をカーンは自由に動き回っている(アジアタイムズ、3月30日)。しかもカーン・コネクションは残存している。
イランは核武装のための秘密のコネクションを世界各地に広げているが、欧米ならびに国連はイランに経済制裁を科しており、とりわけ核開発にかかわる設備機材、材料などの輸出に目を光らせている。だが、イランの核開発は進捗し、ナタンズの原子炉ではウラン濃縮が進んでいる。
だとすれば、誰がイランの核武装を手助けしているのか?それは言うまでもない、かの国である。
国連制裁に従う振りをしながら、中国がイランとともに発明した手法とは、第三国を経由して第三者が介在するという方式、舞台はドバイである。
中国政府の関与はきれいさっぱり痕跡がない。そればかりか中国系企業が関与した形跡さえ巧妙に消されている。捜査しても表にでてくるのは香港、台湾、あるいはスイスや米国にある貿易会社などだ。
抜け穴はドバイだった。ドバイにはイラン人が45万人住んでいる。大半は原理主義宗教過激派が支配するイランから逃れてきた事実上の亡命者だが、なかにはエージェント、スパイ、秘密工作要員が混じっている。
ドバイには4650社のイラン系企業が存在し、工業開発区への投資も巨額にのぼる。このドバイのイラン系企業には香港、台湾などから物資が運ばれ、核物質原料や、ウラン濃縮に必要なバルブ、機材一式、なかには「カーボン・ファイバーが含まれ、追跡した結果、これらは中国から輸出されていたことが分かった」(ワシントンポスト、2010年10月18日)。懲りない面々の暗躍、きょうもドバイで。 
    
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◎毎日一行● 冗談かと思いきや、「大連立構想」は水面下で本格化している様相。
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