7582 複雑怪奇、日本の政局 古森義久

大連立という言葉を中心に日本の政治がなにやらなまぐさい動きをみせ始めました。まだまだこんごどうなるか、予断は許せないにせよ、いまの複雑な状況は以下の記事がおおざっぱにまとめています。
東日本大震災を受け、倒閣・衆院解散を目指してきた自民党が民主党との「大連立」構想にじわりと軸足を移し始めた。菅直人首相による谷垣禎一自民党総裁 への「入閣要請」騒動で一度は後退した構想だが、今後の復旧・復興を「指をくわえて見ているわけにはいかない」と考えたようだ。菅政権の対応の鈍さにしび れを切らしたともいえる。(佐々木美恵)
ただ、大連立の前提は5つ。子ども手当、高速道路無料化、農家戸別所得補償、高校授業料無償化の「バラマキ4K」の見直しに加え、「菅(かん)首相の退陣」。この「5K」をどうクリアするかが今後の大きな焦点となる。
▼「復興のために」
「被災地に支援をいただいているが、一番遅れているのが日本の政治だ…」古賀派の古賀誠会長は31日、派閥総会でゆっくりした口調でこう切り出した。
「どうすれば政治が責任を果たせるか。この機会に政治の信頼回復を第一に考えないと大惨事の復旧・復興はなしえない。最後は谷垣総裁にエイヤと方向を決めていただきたい…」
「自民党主導での大連立」は古賀氏の持論だが、これだけ明確に表明したのは初めて。煮え切らない態度を続ける谷垣氏へのいら立ちの表れだともいえる。
町村派の町村信孝会長も派閥総会で「もろもろの火が収まり、本格的な復興を始める段階で何かそういう検討があることはあえて否定しない」と語った。
2大派閥の会長が足並みをそろえたのは理由がある。谷垣氏は3月30、31の両日、森喜朗、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎の首相経験者4人と個別に会談。話題の中心はいずれも「復興のための大連立」(谷垣氏周辺)だったという。
もっとも前向きな姿勢を示したのは森氏だ。谷垣氏が副総理兼震災復興担当相としての入閣を打診されたことについて「わが党にはいろいろ専門家がいる。総裁が出るのではなく菅首相の話をしっかり聞いてそういう者を出す方がよい」とアドバイスした。谷垣氏さえ入閣しなければ連立は構わないと言ったに等しい。
首相在任中に民主党と徹底的に対決してきた福田氏は「今の政権に危機管理ができるか」、安倍氏も「今は特別の事態なので大連立を全く考えられないわけではない」と理解を示した。
これを受け、谷垣氏は31日の記者会見で「これから年度も替わる。いろいろ考えていかなければならない。常に360度見て判断していく」と語った。
自民党幹部の念頭にあるのは復興予算だ。第1次補正予算はがれき撤去など応急措置が中心で1兆~2兆円規模にとどまる見通しだが、6月にはインフラ整備 を含む大規模な第2次補正予算の編成が控える。震災被害額は16兆~25兆円にのぼるとされ、巨額補正予算編成で財源や税制の問題をクリアするには「長く政権与党でノウハウを蓄積してきた自民党にしかできない」との思いがあるのだ。
▼仙谷氏は活発に
ただ、大連立最大の障害は菅首相だ。首相の「その場しのぎ」の政治手法を徹底批判しただけに菅首相のままでは支持者の理解を得られない。加えて被災者支援や原発事故での対応の不手際への批判まで受けかねないからだ。
ただ、民主党には自民党の派閥領袖(りょうしゅう)らと大連立に向けて水面下で調整できる議員がほとんどいない。唯一、仙谷由人官房副長官(党代表代行)だけが「寝業師」として動きを活発化させているが、民主党内で大連立のコンセンサスを得るのは容易ではない。
岡田克也幹事長は31日の記者会見で「党派を超えて協力してもらう中でどういう形が望ましいのか。与党に多くの党が入ってもらうのも一つの選択肢だ」と秋波を送ったが、大連立への道のりは険しい。(産経)
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