風に乗るグライダーのような選挙が得意の民主党だから風がやむと失速する。それにしても民主党の金城湯池だった愛知県で衆院の補欠選挙で候補者が立てられずに前代未聞の”不戦敗”とは驚きだ。内閣支持率が20%を切って青息吐息だった菅内閣も、このところ30%台をキープするところまで回復している。
菅首相に対する支持は相変わらず低迷したままだが、東日本大震災の被災者を救い、一日も早い復興に着手するためにも、菅内閣で頑張って貰うしかないという消極的な支持が民意となって現れた。しかし追い風になっていないから、金城湯池の衆院愛知6区補選で候補擁立を事実上断念することになった。
東京都知事選挙でも民主党の推薦候補は苦戦している。政権党が統一地方選挙で悪戦苦闘する様は異常事態といえる。東日本大震災の被災者は強い政治指導者による救援と復興を待っている。国民は菅内閣に時間を与えたのだから、立ち止まって風が吹くのを待つ余裕はない。統一地方選挙は、その試金石ではないか。
<24日投開票の衆院愛知6区補選で、民主党は4日、候補擁立を事実上断念した。党愛知県連の牧義夫代表は毎日新聞の取材に対し「事実上、断念せざるを得ない」と語った。政権与党が国政選挙の補選で「不戦敗」となるのは極めて異例だ。
補選は石田芳弘前衆院議員(民主)の名古屋市長選出馬に伴うもの。同党は2月の愛知県知事選や名古屋市長選、3月の同市議選で連敗、候補者選考をめぐる党本部との調整は難航。同日から始まった県選管の候補者事前審査にも出席しなかった。一方、河村たかし名古屋市長が代表の地域政党「減税日本」は4日、補選に週刊誌記者の川村昌代氏(44)を擁立する方針を固めた。
他に、自民党が元衆院議員、丹羽秀樹氏(38)の擁立を決めているほか、共産党愛知県委常任委員の河江明美氏(45)、諸派の福原真由美氏(50)が立候補を表明している。【毎日=加藤潔、高橋恵子】>
杜父魚文庫
コメント