7625 卓越した官僚操縦能力を誇る菅首相について 阿比留瑠比

今朝の読売新聞にも載っていましたが、昨日の国民新党の亀井静香代表の記者会見は私にとっては衝撃でした。亀井氏は以下のように語り、菅直人首相が自分の官僚操縦能力に自信を示したという言葉を紹介したのです。
亀井氏 未曾有の事態でしょ。この時は政治家だけでなくあらゆるものを総動員すべきだ。まず形をバシッと作るべきだ。要は役人をどう使うかだ。土曜、菅首相は「役人はきちんと使えなければならない。まあ、役人がきちんと使えるのは1に亀井さん、2に私、3に仙谷由人さん」なんて首相は話していたよ。役人が使命感に燃え、自分の全力を出し切れるようにすべきなのだ。阪神大震災で、村山さんは自分を知っていた。だから成功した。「頼む、頼む」でみんな協力したよ。
…これは、ひょっとしてギャグなんでしょうか。私にはもう何とも判断がつきませんが、これが本心であれば首相は「原子力にものすごく強い」だけではなくて、政界でも1、2位を争う「官僚たらし」であると自己評価しているということになります。いやはや、ここまで己を知らないとは…。これならまだあの、ミスターLの方がましではありませんか。にしても、亀井氏はどういうつもりでこんなエピソードを明かしたのか。謎はつきません。
ところで、3月25日付の産経紙面に書いたことですが、ある政府関係者は、最高指揮官の類型として①有能有為②無能無為③有能無為④無能有為――の4パターンを挙げ、憤懣やるかたない様子でこう語っていました。「菅首相がどれにあてはまるかもう分かるだろう。無能なのに、できもしないことをやろうとする無能有為型だよ…」
また、たまたま本日話したある省庁幹部は今回の菅官邸の震災対応についてこう明言しました。いろいろと事情を知る立場にある人です。
「菅首相のクレージーな原発対応で被災者支援は10日遅れた。菅首相には本当に辞めてほしい。頭だけ代えればいい。あとの閣僚は今のままでもいいから、菅首相だけは代わってほしい。今の官邸は、この人(菅首相)のために男気を出して働こうという気にならないから、みんな責任回避している。菅首相は原子力に強いそうだから、班目春樹原子力安全委員会委員長の後任にでも就けばいいんだ
さらに、別の省庁幹部は菅首相の顔を見るのもの嫌だとしてこう指摘します。こうまで全人格を否定される首相は初めて見ました。
「菅首相は人を見たら怒鳴り、八つ当たりしてうさをはらしている。この危機でも代えた方がいい。この危機はしばらく続くのだから、ずっと菅首相では回らない。菅首相は何に脅えているのか全く国民も党も見ていない。回りの人を人間扱いしないのは許せない。もともと秘書官たちは首相の人間性に深く触れ、『この首相のために死ぬ』とまで思うものだが、今の官邸はこの危機管理時にも人心が離れている。菅首相には宰相として必要な大局観がなく、自分が知っている些末なことにこだわり、怒鳴り、2日遅れて判断する」
…本当はもっと菅首相の具体的なひどい言動にも触れたいのですが、それをやると話してくれた人物が特定されかねないので、これでもぼかしてあるぐらいです。さてここで突然、脈絡もなく勝海舟の次の言葉を思い出したので記しておきます。まったく、なんだかなあ。
「世の中に無神経ほど強いものはない。あの庭前の蜻蛉を御覧。尻尾を切って放しても、平気で飛んで行くではないか」
だからといって、尻切れ蜻蛉の類にこの国難に際しての国政を任せる気には、どうしてもなれません。どうやったら、菅首相の鏡に映った自分の本当の姿を見せることができるのでしょうか?

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