朝日新聞に「幻の”枢密院”構想」という面白い記事が出ている。東日本大震災の復興対策について、与野党の党首らが首相に助言する「非常事態対策院」の構想だが、菅首相の続投を前提にした大連立構想の変形ともいえるものだという。
明治憲法下、天皇の最高諮問機関として伊藤博文らで構成した「枢密院」が構想の基本にある・・・というから若干、古色蒼然たる気がしないでもないが、悪い智恵ではない。
それはともかく、この構想を練ったのが亀井静香・国民新党代表、村上正邦・元自民党参院議員会長、民主党の小沢一郎元代表の側近である平野貞夫・元参院議員の3人だったということの方が興味深い。
亀井、村上両氏は3月下旬、仙谷由人官房副長官と会談。仙谷氏は理解を示し、首相に提案することでまとまった。村上氏は福山哲郎官房副長官とも会い、検討を促した・・・と朝日は伝えている。
小沢氏の知恵袋・平野氏の名がちらついていたから、菅首相も警戒したのだろう。首相は仙谷氏の提案に「自民党が賛成するだろうか」と難色を示して、幻の「枢密院」構想も消えた。
杜父魚文庫
7636 首相難色で消えた幻の「枢密院」構想 古沢襄

コメント