7655 「拉致なんて小さな問題」と言い放ったという五百旗頭氏  阿比留瑠比

今朝の産経新聞は1面で、政府が設置した「復興構想会議」に関する記事(無署名)を載せています。これは当初、私が書いたのですが、新たな情報が入って原稿が差し替えられたため、都心などで配達される「遅版」の紙面からは抜け落ちた部分をここで記しておこうと思います。
それは、会議の議長に就任した五百旗頭真・防衛大学校長が、かつて中西寛・京大教授の結婚披露宴に出席した際、控え室で日本人拉致問題が話題になった際に言った言葉です。五百旗頭氏の斜め前にいたという福井県立大の島田洋一教授によると、五百旗頭氏は冷ややかに
「拉致なんて小さな問題にこだわるのは、日本外交として恥ずかしいよ。こっちははるかに多い◯百万人も強制連行しているのに」
と言い放ったとのことです。昨日、枝野幸男官房長官は五百旗頭氏の議長就任について「日本を代表する政治学者」と紹介していましたが、その実態はこんなものです。昨日、確認のため電話取材した島田氏によると、◯の部分は具体的な数字(いずれにしろデタラメ)を言っていたけれど、そこは覚えていないとのことでした。この言葉について、島田氏に記事にしていいと許可を得た上で当初、書いていたのです。
確かに、今回の震災復興のグランドデザインを描くにあたって、拉致問題をどう位置付け評価しているかは直接関係ないかもしれません(だから記事からも削られたのでしょう)し、就任した以上は復興に尽力してもらいたいと思います。
ただ、枝野氏はこの構想会議の人選にあたって「オールジャパンの英知を結集した」と述べていました。私には、同胞たちが今も塗炭の苦しみを味わっている拉致問題についてこんな認識と共感しか持てない人物が、日本全体を代表するといわれても、到底納得できないのです。
先日のエントリで、五百旗頭氏の起用について「気持ちを逆撫でする人事」と書いたところ、私は「愚かな人」とコメントされましたが、愚か者でけっこうです(私自身、そう自覚しています)。さすがに「ルーピー」は勘弁してほしいものですが。
杜父魚文庫

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