「10年、20年住めない」と言った言わないは、どうでもいい。首相官邸の中でこういう心なきやりとりがあったということは、被災者の気持ちを逆なでするものだ。被災者の立場になれば、こういう評論家的な会話はでてこない。
官房長官が「首相はそう言っていない」、「誤解を招かないように留意するよう徹底する」、「結果的に心配をおかけすることになり大変遺憾」と言っているが、他人事の響きがするのは、心がこもっていないからである。
<公明党の山口那津男代表は14日午前の党中央幹事会で、菅直人首相と松本健一内閣官房参与が会談で東京電力福島第1原発周辺地域に「10年、20年住めない」とやり取りしたことについて「だれ(どちら)が発言したか定かでなかったとしても、極めて無責任と言わざるを得ない。住民や関係自治体がどれほど影響を受けるかを踏まえて対応してもらいたい」と苦言を呈した。
社民党の又市征治副党首も同日の党常任幹事会で「評論家みたいなことを言う前に、自分たちはやることをやったのか。これまでは批判を抑えながら協力してきたが、積極的、建設的に批判していかなければならない」と首相を厳しく批判した。
首相と松本氏は13日に会談。松本氏は首相が「原発周辺に当面住めない。10年、20年住めないとなると、住み続けるのが不可能になる」と話したと記者団に説明したが、後に「私の話」と釈明、首相も否定した。
この発言を巡っては、福島県の佐藤雄平知事が13日夜の県災害対策本部会議で「一日も早く住民が古里に戻れるように願ってきた。信じられないの一言」と語気を強めて非難した。政府が計画的避難区域とした浪江町の植田和夫住民生活課長は「皆が復興に向けて頑張っている時にそのような話が出ること自体が残念」と訴え、第1原発1~4号機がある大熊町の鈴木久友総務課長も「発言が本当なら何を言っているのかという思いで信じられない」と話した。
枝野幸男官房長官は14日午前の記者会見で「首相はそう言っていない」と重ねて否定したうえで「(会談で)首相がどう言ったか(を公表する際)、誤解を招かないように留意するよう徹底する」と述べ、松本氏を注意する考えを示した。また原発周辺住民に対し「結果的に心配をおかけすることになり大変遺憾」と陳謝した。(毎日)>
杜父魚文庫
7671 住めない発言で批判続出 官房長官が陳謝 古沢襄
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コメント
菅総理の「住めない発言」は酷い。冷酷、酷薄、無残に過ぎます。
また松本健一氏であるが、この人は大学教師、評論家である。評論では北一輝、2.26、昭和天皇など近現代史について述べることが多い。
その作品であるが、個人的には偉そうに書くという生理的嫌悪感は別にすると橋川文三氏などと比べると極めて低水準で、論評された方々はお気の毒である。菅総理が「私は原子力にはスッゴク詳しいんだ」と言うのと同じ水準である。この人にしてこの友人有りですね。馬鹿馬鹿しい。