7693 再燃するか クリントン待望論 古沢襄

17日来日したクリントン米国務長官は皇居で天皇、皇后両陛下にお会いし、菅首相、松本外相との会談をこなして、あわただしく離日した。米政府内では、日本の政局混乱への懸念も強まっているといい、「菅政権がもたないなら、首相訪米は先送りした方がいい」との声も漏れてくる中での来日であった。
ワシントンからの産経によれば、精力的に外遊を重ねているクリントン米国務長官は就任2年で計40回、165日間に達する外遊を記録したという。メディアへの露出の高さから支持率も政権内でトップを維持。長官自身は強く否定しているが、大統領選への出馬待望論も再燃している。オバマ大統領も再選出馬の意向と言われるから、米民主党内の大統領候補選はオバマ、クリントンの争いになる余地を残している。
<天皇、皇后両陛下は17日、同日来日したクリントン米国務長官とお住まいの皇居・御所の応接室で数十分間懇談した。
御所に到着したクリントン長官は、玄関で出迎えた両陛下に「今回の地震についてお見舞い申し上げます」と話し、握手をした。宮内庁によると、今回の懇談はクリントン長官から「元大統領夫人としてお会いしたい」との願い出があり、実現したという。(毎日)
菅直人首相は17日午後、来日したクリントン米国務長官と、東日本大震災や東京電力福島第1原発事故を巡り、首相官邸で約35分間会談した。菅首相が「米国の同盟による支援を永久に忘れない」と謝意を伝えたのに対し、クリントン氏は「日本は必ず回復を遂げ、何十年間も経済的な、グローバルな活躍をすると確信している」と述べ、復旧・復興を官民あげて全面支援する方針を強調。両氏は福島第1原発事故の収束に向けて緊密に連携することを確認した。
会談で、菅首相は福島原発事故について「米国と緊密に協力して対処していく。事故から得られた教訓を国際社会と共有して、役立てていく責務がある」と述べ、クリントン氏も「日米間で緊密に連絡を取り合っていきたい」と応じた。
クリントン氏はこれに先立ち、松本剛明外相と東京都内で約35分間会談した。松本氏は、東電が同日発表した原発事故収束へ向けた工程表を米国の専門家が分析するよう依頼。会談後の共同会見で、クリントン氏は同事故について「多次元の、前代未聞の規模の危機」との認識を示し、工程表の分析に協力する考えを表明した。
また両外相は、復旧・復興に向け、両国政府と企業・シンクタンク・非政府組織(NGO)などによる官民のパートナーシップを進めることで一致した。クリントン氏は、共同会見で「日本国民の強さを見て感銘を受けている。我々は改めて、揺るぎない支援を約束したい」と語りかけた。
共同会見には、日本経団連の米倉弘昌会長と米国商業会議所のドナヒュー会頭も同席し、日米の官民協力を前面に押し出した。
一方、両外相は日米安全保障協議委員会(2プラス2)について6月下旬で調整している菅首相の訪米前のできるだけ早い時期に開くことで一致した。
クリントン氏は17日午後、専用機で羽田空港に到着。菅首相、松本氏との会談のほか、天皇、皇后両陛下とも会見し、同日夕、帰国の途についた。(毎日)>
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