7730 大震災では日本政府の対外発信があまりに弱かった 古森義久

大震災での菅政権の対応の不備の一つは、明らかに対外発信の不足です。その点に関連して、国際教養大学 理事長・学長の中嶋嶺雄氏が自らの体験を基に鋭い指摘をしています。
<<【正論】国際教養大学 理事長・学長 中嶋嶺雄 震災で痛感した対外発信の弱さ>>
ご存じの読者も少なくないと思われるが、秋田市にある私たちの国際教養大学は、全学生に1年間の海外留学を義務付けており、また海外からも、1学年の定員(175人)にほぼ相当する数の留学生を受け入れている。
今回の東日本大震災で卒業式は中止して、東北地方出身の在学生や、キャンパス外にいた七十数人の留学生の安否をまず第一に確認した。3月中旬のいわゆる ギャップイヤー(入学前に国内外で自主研修して単位を取得する制度)を伴う9月入学生の入試は、当初、予定していた仙台で行うことを断念して1週間延期し、往復のバスを仕立てて、受験生に秋田まで来てもらって実施した。
2日半の停電により、キャンパスも水や電気がストップしたが、大震災の犠牲者や被災者のことを思えば、この程度の不便は当然しのぐべきだという了解で、 阪神・淡路大震災で被災した家庭の出身者をはじめ20人前後の学生がすでに、被災地救援のボランティア活動に馳せ参じている。
大学の入学式も4月下旬に延期し、大震災が起きた当日の3月11日以降は、全世界120校に近い提携校との連絡や、この秋~冬学期に在学していた161人の留学生の家族からの問い合わせに大わらわで対応してきた。
◆留学生の8割余が帰国した
秋田は安全だと説いたのだが、まず、在京フランス大使館は、自国の留学生に直接連絡し、成田空港に待機させていたチャーター機に乗せて帰国させてしまった。ドイツからの留学生もほぼ同様に自国に帰ってしまった。
モンゴルからの留学生の母親は直接、学長室に2度も電話をかけてきたので、懇切に説明したのだったが、その学生も一時帰国してしまった。中国からの留学生も北京に帰ったまま、様子見をしているということである。
在日米大使館は、3月31日付の「渡航警告」にアルファベット順でAkitaを真っ先に載せていたので影響は大きく、本学が秋田県に代わり抗議した。
パリに住む私の古くからの友人のフランス人は、何度も来日していて日本をよく知っているはずなのに、「福島に近い東京は大丈夫か」と手紙をくれた。
このような状況なので、現在、秋田のキャンパスには留学生わずか31人を残すのみとなり、この4月に入学予定だった145人の留学生からのキャンセルも 相次いでいる。米国有数の大学やカレッジから80人ほどが参加する予定だったサマープログラムも、参加者の激減で中止せざるを得なくなりそうだ。
◆誇張された海外メディア報道
私は4月1日に、全教職員を集めての英語による新学期開始の訓辞で、日本は、原子力発電の危機も含めてこの国難を必ずや克服するであろうこと、センセー ショナルに誇張された外国メディアの報道に対しては、教職員一人一人が積極的に発信して事実を伝えるようにしてほしいことを、半数以上が外国人である教職 員たちに、強く訴えたのであった。
授業も公式な会議もすべて英語で行っている国際教養大学では、衛星ニュース局、米CNN、英BBCの両テレビとも常時、放映されているのだが、その報道ぶりを見ていると、日本はもはや、全土が「危険な国」であり「チェルノブイリ化した国」であるかのような印象を与えるものが目立っている。これでは、留学生が帰国したり留学をキャンセルしたりしてくるのも無理ないかもしれない。
今回の大震災でさらけ出された国際的に最も致命的な問題の一つは、わが国の対外広報体制の脆弱(ぜいじゃく)さと、その結果としての国外への発信力不足であった。
◆同時通訳横に記者会見を
グローバル化した今日の世界において、とりわけCNNやBBCのニュースは四六時中全世界、全地球を駆けめぐって、英語による強力な発信を繰り返している。それに引き換え、わが国のテレビや新聞はどうであろうか。特に、テレビは大切な放送時間を、バラエティーショーやお笑いなどの番組に余りにも費やしてはいないだろうか。
対外発信を強めるのは、そう難しいことではないように思う。
枝野幸男官房長官の定例記者会見は、会場では、ヘッドフォンにより英語の同時通訳も聞けるようになり、原子力安全・保安院も英語での会見を別途、行うようになっている。東京電力のものも含めたこれらの会見を、日本在住・滞在の外交官、外国人にもテレビを通じてはっきりと分かるようにしてはどうか。要は、会見者の横に同時通訳者が並ぶことである。それだけでも、対日不信の抑制にかなり効果があるはずだ。
わが国にとり、日頃から、敏速で正確な広報体制を確立し、そのための人材を養成しておくことが急務であるということを、今回の大震災は改めて教えてくれた。秋田という地方にあって、本学は各国との受発信の根拠地として、そんな取り組みの一端を今後とも担っていくつもりだ。(なかじま みねお)
杜父魚文庫

コメント

  1. 谷 豊 より:

    ★ 準備
      色々な事を勉強してきて感じることは、保守或いは国民の
     大部分の人は、「このままでは、日本は終わってしまう!」
    と感じていると思います。
      政治家には任せられない、マスコミは信用出来ない、では
     あと残った手段は何でしょうか?
     私は、その結論を言いたくありません。
     しかし、「いつ、何が起きても」良いように、自分自身の準備
     だけは整えておきます。
    ○体を鍛え直す。→以前、空手2段を取ったときのように
     ○精神力を充実させておく。→人を殺しても動じないように
     ○知識を呼び戻す→特に戦術能力の向上
     ○技術の向上→格闘、爆弾製造、暗殺、煽動、拷問の技術等
     ○係累の除去→離婚準備、自殺用の薬物
     
    そう、谷 豊(ハリマオ)のように!

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