7756 菅首相を形容した珠玉の言葉どダメな自民党と 阿比留瑠比

昨日、民主党のある会合を取材し、その模様を「壁耳」(会合場所のドアの隙間などから漏れ聞こえる声を拾うこと)をしていた後輩記者によると、同党のある保守系議員が菅直人首相について「その心底にあるのは卑怯だ!」と強調していたそうです。見事に本質を喝破していますね。ぜひ菅首相ご本人にもそう言ってほしいものです。
ところで、われわれは紙面をつくる際、特に連載記事や企画記事などでは、登場人物のカギカッコを重視します。ある問題の当事者たちが思わず漏らす一言は生々しく、ときにこっちの予想をはるかに超えた独創性を持ち、心に響いてくるものだからです。こればっかりは、現場で一つひとつ丁寧に拾うしかなく、いいカギカッコを聞き出し、見つけ出してこれる記者が評価されます。
菅直人首相が21日に福島県郡山市を視察した際には、産経の福島支局の記者が実にしびれるカギカッコをとってきました。富岡町と川内村からの避難者の一人が菅首相に受けた印象をつぶやいたもので、こんなの記者がいくら頭で考えたって思いつきません。現場ならではの言葉でした。
「何もできない。はっきりしない。何とも殺風景な男だったなあ」
なるほど「殺風景な男」かあ、言い得て妙ですね。腹にすとんと落ちます。よくもまあこんなぴったりくる言葉を思いつくものだという気もしますが、現場で実際に潤いも人間味もない菅首相に接した結果、素直にそう感じたのでしょうね。ただの自分の保身と権力欲を「使命」「宿命」「運命」とすり替えて、とうとう天にまで責任転嫁を始めた菅首相の心に響かない言葉とは大違いです。
さて、昨日の参院決算委員会では、この宰相不幸社会の伝道者に対し、複数の議員が退陣を迫っていたことは昨日のエントリでも書きました。ただ、具体的文言は記していなかったので、本日改めて紹介します。ここまで言われて何も感じない菅首相には何か不気味なものも感じます。
公明党の浜田昌良氏 「総理自身が風評被害をまき散らしている。たかが言葉というかもしれないが、その言葉を発する心が大事だ。先週、この委員会で同僚委員からの、復興の道筋をつけたら潔く身を引いたらどうかという質問に、総理はどう答えたか。『欲張りかもしれないけれども、復興・復旧と財政再建の道筋を付けたい、それが政治家の本望だ』と答弁した。
あなたの本望じゃなくて重要なのは国民の心、声じゃないか。菅総理、あなたは菅は菅でも鈍菅だ。まさに国民の声を受けて、潔く身を引く、その一線の中で今の現状に手を打てば、国民はその言葉に耳を貸す。それを恋々と今のポストに、その政権にしがみついているがゆえに、まさに国民は聞く耳を持ってない。まさに明快な身を退く決意を述べてもらいたい」
みんなの党の小熊慎司氏 「(復旧・復興を)菅直人という人間がやんなきゃいけないのか、日本国総理がやんなきゃいけないのかは別問題だ。心を一つにするのが大事だ。残念ながら支持率にも表れている。菅直人をトップに立てていては一つになれない。菅直人の宿命に国民の宿命を重ね合わせすことはできない。この道筋をつけないのであれば、菅直人が音頭をとることでない。違う人がやることが、本当にあなたの願いがかなう。
世界で日本政治へのイメージ低下は著しい。菅直人政権の対応の結果だ。政治の風評被害の原因は首相だ。人心を一新するしかない。残念ながら。一番は国民のために、新しい未来のために働くことだ。総理が総理の地位について働くより、譲って、新しい総理のもとで復興を図るのが一番だ。どうだ。
総理の師匠である市川房枝さんがここにいたら、たぶん、総理を続けろとは言わない。しっかりと、逃げることじゃない、辞めることは逃げることじゃない。あなたは辞めたというそしりから逃げたいだけだ。英断を持って、菅直人個人として、もう一度、自分自身のあり方、国民への深い思いを持って決断することを求め終わる」
ただ、民主党政権だけではなく、自民党もなんだかなあ、です。自民党の一部長老議員たちは、ポスト菅の候補として何と福田康夫元首相を想定しているとか。そりゃ自分たちには扱いやすく都合がいいのでしょうが、そんなの国民が望んでいるでしょうか。
まあ、その思惑通りに進むというものでもないでしょうが、そういう発想が出てくるところが何ともいやはや…。
杜父魚文庫

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