共同通信社が29、30両日に実施した全国電話世論調査では、原発事故への政府対応を「評価していない」は前回から12.4ポイント増の70.6%に上昇した。民主党支持率は18.9%から17.4%に下落、逆に自民党は20.6%から25.4%に上昇した。
だが、今すぐ総選挙をやる政治状況にはないから、このまま頬かむりしてでも菅政権は逃げ切るつもりだろう。追う小沢一郎氏もさすがに手詰まり感を隠せない。30日夜、小沢氏は衆参若手10数人と会食し、「この状況で民主党も自民党も動かないのはおかしい」と与野党で倒閣の動きが進まないことに不満をぶちまけたという。
語るに落ちたということか。世論がどうであれ、逃げるが勝ちと菅首相に決め込まれたら、打つ手がない状況に小沢グループの方が追い詰められている。
これでは衆院で自民党が内閣不信任案を提出しても、あっさり否決され、結果的には不評の菅内閣を信任することになりかねない。参院で問責決議案を提出した方が可決の可能性があるが、これは倒閣の決め手にはならない。
逆に問責した菅内閣をそのままにして自民党が国会審議に出ることの整合性が問われて、野党の方が苦境に立たされる。相手は支持率が1%になっても首相を辞めないと言っているのだから、これほど手におえない”しがみつき”状況という憲政史上かつてない珍事が生まれる。
ここは否決されるのを覚悟のうえで衆院に内閣不信任案を提出して、一定のケジメをつけるしか野党には手がないように思われる。与党側から、どれだけ衆院本会議をボイコットする造反者が出るのか、世論から叩かれても、それを見定めるのが残された戦術なのかもしれない。
<民主党の小沢一郎元代表は30日夜、東京・赤坂の南欧料理店で衆参若手10数人と会食し、「この状況で民主党も自民党も動かないのはおかしい」と述べ、与野党で倒閣の動きが進まないことに不満をぶちまけた。
子ども手当など民主党マニフェスト(政権公約)の看板政策の見直し方針を盛り込んだ民主、自民、公明の3党合意についても「ひどい話だ」と怒りを露わにしたという。
また、福島第1原発事故に関し「原発は安定していない。爆発しないようにしているだけで放射線を垂れ流している。根本的な対策を取らなければ大変なことになる。決死隊を送り込んで完全に抑え込まなければならない。政治が決断することだ」と語ったという。
小沢氏は、29日夜に鳩山由紀夫前首相と会談したことも明かし、「鳩山君は菅直人首相に原発対策でいろいろと助言しているのに首相からは何の連絡もないそうだ」と打ち明けた。
日本酒党で知られる小沢氏だが、この日はカルパッチョを食べながら赤ワインを楽しんだ。(産経)>
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