昨日の産経国際面に、内部告発サイト「ウィキリークス」から米公電を入手した米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が報じた斎木昭隆駐インド大使が、アジア大洋州局長当時の民主党政権発足直後の2009年9月に、キャンベル米国務次官補に語ったという次のような言葉が掲載されていました。それを読んで、しばし感慨にふけった次第です。
「(民主党は)愚かだが、彼らも(いずれ)学ぶだろう」
もちろん、ウィキリークスの情報が事実であるのか、あるいはどの程度正確であるのかは私には分かりません。斎木氏は「コメントしない」と述べているようですが、その後のルーピーたちの天真爛漫な大活躍ぶりを思えば、まあ普通、この見方は否定できませんよね。
さて、この記事を読みながら唐突に思い出したのが、もう30年以上前の中学時代の話です。当時、同級生の友人に勧められ、一時期「リーダーズ・ダイジェスト」という雑誌を購読していたのですが、それに世界のジョークが載っていて、中でもあまりに秀逸で大笑いし、かつ強く印象に残ったものがありました。
それは、旧ソ連のアネクドートで、後に有名な一品であると知りました。以下のもので、いろんなバージョンがあるようです。
《ある男が赤の広場の塀に「フルシチョフはバカだ」と落書きした。この男は逮捕され、懲役11年を言い渡された。「俺の罪は何だ」と男が叫ぶと、裁判官は「1年は国の財産である壁を汚したため。残り10年は国家機密漏洩罪だ」と答えた。》
私の記憶では、フルシチョフがブレジネフに脳内変換されていましたが、年代的にオリジナルはやはりフルシチョフなのだろうと思います。このほか余談ですが、同じ雑誌でソ連が中国を恐れているエピソードを記したものとして、記憶なので正確ではありませんが、こんな小話も脳裏に刻みつけられました。
《ある日、中国がわが国に降伏を勧告する。わが国は当然、これを拒否する。 次の日、100万人の中国兵が国境を越えて攻め寄せる。わが軍は勇敢に戦う。さらに次の日、1000万人の中国兵が押し寄せる。わが軍は必死に持ちこたえる。そしてとうとうその次の日、1億人の中国兵がやってくる。わが国は降伏する。》
まあ、ちょっと話がずれましたが、斎木氏が述べたとされる言葉を読んで、日本は「ルーピー」のことを「ルーピー」と呼べる言論の自由があってよかったなあとか、どの国でもどうしようもないトップに苦労するのだろうなあとか、いやそれにしたところでとか、あれやこれや、いろいろと考えさせられました。
そして、日本では国家機密漏洩罪がすぐにつくられることはないだろうけれど、民主党政権が準備している人権擁護法案がそれに似た役割を果たしかねないと改めて気づき、この問題も油断せずにウオッチしておかないといけないと、そう思いました。監視の目と批判の声が弱まると、すぐ何か始める人たちがいるので…。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト
7831 ウィキリークスで思い出した旧ソ連のアネクドート 阿比留瑠比

コメント