7851 横田めぐみさん生存の可能性 古森義久

アメリカで北朝鮮による拉致問題についての調査結果が作成されました。日本人の拉致被害者についても詳述されています。
そのなかで横田めぐみさんらについての「なお生存の可能性」を明記しています。アメリカからの国際的な発信として注視されるべきでしょう。
〔ワシントン=古森義久〕米国の超党派の民間人権擁護組織の「北朝鮮人権委員会」は9日までに北朝鮮当局による日本人など外国人の拉致についての報告書を作成し、横田めぐみさんを含む日本人拉致被害者13人について「北朝鮮でなお生存している可能性がある」としてその解放を北朝鮮政府に改めて求めた。同報告書は12日に公表される。
2001年にスティーブン・ソラーズ元下院議員(民主党)やリチャード・アレン元大統領国家安全保障補佐官(共和党)ら元議員、政府高官、人権活動家によって設立された北朝鮮人権委員会は「拉致されて」と題する約140ページの同報告書を作成した。
同報告書を精読した関係者の話によると、同委員会の専門スタッフが日本や韓国にも出向いて実施した調査を基礎とした同報告書は北朝鮮による他国民の拉致について朝鮮戦争当時の韓国人大量連行を含めて合計14カ国約18万としている。
だが報告の主体はあくまで日本人拉致で、同委員会独自の総括として朝鮮総連関係者も含めての日本人の拉致被害者として27人を列記し、そのうちの横田めぐみ、田口八重子、有本恵子、増元るみ子さんら計13人は「北朝鮮でなお生存している可能性がある」と記しているという。
同関係者の話では、北朝鮮人権委員会の調査は日本の政府、「家族会」「救う会」から得た情報への依拠も多く、日本政府の拉致認定17人もそのまま紹介しているが、一方、同委員会が独自に北朝鮮元工作員の安明進氏らの証言をも入手して判断を下したともいう。
同関係者はさらに同報告書が横田めぐみさんら日本人の拉致被害者の個々のケースについて拉致当時や北朝鮮領内での動向を詳述し、北朝鮮側の「死亡」などという発表を紹介しながらも、その発表の矛盾などを指摘していることを明らかにした。
同報告書はまた日本の朝鮮総連主体の「帰国運動」に誘われた当事者たちの実態や日本人拉致被害者の北朝鮮での種々の任務について詳述する一方、日本人拉致被害者が収容されていた平壌北東部の東北里地区の拉致日本人居住区やその一環として付近に点在した「招待所」計6ヵ所の位置を明示した衛星写真を資料として付けているという。
同報告書の日本人拉致被害者の拉致認定や生存の可能性の指摘はこれまでの日本側での発表の枠をほとんど越えてはいないが、米国の組織が英文の文書で発表することは北朝鮮政府に対する抗議や要求に国際的な重みを加えることになると観測されている。
杜父魚文庫

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