ハトヤマは普天間基地移転を巡る迷走で総辞職した。菅直人は反原発を煽動又は幇助した罪で失脚に追い込まれるか?
はじめに
地球温暖化をもたらした元凶は石炭・石油・天然ガス等の化石燃料を燃焼させることで発生する炭酸ガスと喧伝されてきた。ヨーロッパ各国が主導して地球温暖化の原因とされた炭酸ガスの排出量を規制する京都議定書も採択された。さらに、我がルービー・ハトヤマは国連総会において「炭酸ガス25%削減」を宣言した。世界中が「日本政府は国際公約を果たすために炭酸ガス排出権を高値で買い取ってくれる」と期待した。欧米・中国・韓国等の企業は「日本企業は国際競争力を失って落ちこぼれる」と喜んだ。
なぜ?石炭・石油・天然ガス等の化石燃料を燃焼させて発生する炭酸ガスは地球温暖化の元凶とされたのであろうか。ヨーロッパ諸国と彼らの御用学者はなぜ?「地球温暖化の主犯は炭酸ガス」と決めつけ、炭酸ガス排出権の取引に狂奔してきたのか?
英国で石炭が主要なエネルギー源とされた産業革命(17世紀)以来、地球は着実に温暖化しているといわれている。この説が正しいと仮定しても、地球温暖化の主因を炭酸ガスやメタンガスに求めるのは「初めに結論ありき」の牽強付会の議論である。
地球の陸、海、大気の温度を一定の範囲内で変動させ、安定的に保っている主人公は太陽の放射熱と地球内部のマグマが放出する地熱である。地球の表面は外(太陽熱)と内(マグマ熱)の微妙なる相互作用によって、偶然、「動植物の生存にとって好ましい環境」に保たれてきた。太陽活動が活性化又は不活性化すれば、それにつれて放出される太陽熱の総量が増減するから地球を初め太陽系惑星の気温は上下する。地球内部のマグマ活動が活性化又は不活性化すれば、それにつれて地表および大気の温度が上下する。これが、地球の寒冷化又は温暖化の基礎であろう。大気成分の濃度の変異が寒冷化や温暖化に及ぼす影響は付随的と見るのが常識というものだろう。
窒素、酸素、炭酸ガス、オゾン層等は、宇宙線や太陽光線の直撃から地表面を防御する作用や、地表面に到達した太陽熱と地球内のマグマから放出された地熱を大気圏内に封じ込める作用がある。炭酸ガスの濃度が濃くなれば、温室効果で気温の上昇をもたらす面もあろうが、遮蔽効果によって、地上に降り注ぐ太陽熱の総量を減らす面もある。温室効果と遮蔽効果が相殺していると見るべきなのだ。
炭酸ガス濃度が高まれば、温室効果によって「地球の温暖化が促進される」との極論を肯定することはできない。近年、遮蔽膜であったオゾン層が減少しオゾンホールが出現している。皮膚ガンが急増するのではないかと懸念されている。大気が希薄な惑星は(動植物から見て)有害な宇宙線や太陽光線が降り注ぐから高等動物の生育環境には適さない。生物は進化する前に絶滅する。
地球温暖化の主な原因を「炭酸ガスやメタンガス等の排出ガス」と断定する御用学者の見解は悪質なコジツケ理論である。「化石燃料からの脱皮」を目論む何者かが仕掛けた罠である。罠を仕掛けたのがドイツや北欧の太陽光発電産業なのか?それともフランスの原子力産業なのか?は不明である。いずれも「炭酸ガス排出削減=地球温暖化防止」という子供だましの大義名分を掲げている。「石炭・石油・天然ガス等の化石燃料への依存を減らして、太陽光発電又は原子力発電に切り替えるべき」と唱えている如しである。
彼らの長年にわたる宣伝効果によって、太陽光(熱)発電と原子力発電が地球温暖化を防止できる救世主となった。世界中の国家が太陽光発電と原子力発電の事業化に邁進している。原子力発電を推進する国は、フランスを初め、中国、ロシア、米国、インド、ブラジル、ベトナム、トルコ、エジプト等である。長年、日陰者の原子力産業が願ってきた「我が世の春」がようやく到来した。
原子力産業にとって誠に都合の悪い事故(フクシマ原発事故)が発生したために、一瞬にして流れが変わった。ドイツでは反原発を掲げる「緑の党」が躍進した。世界中で「反原発」の運動が勢いを回復した。我が国でも、社民・共産の左翼が起死回生を狙って「反原発運動」に取り組んでいる。「9条守れ」では人は集まらないが「反原発」は国民的運動に発展できるかもしれぬというヨミだろう。
第1:菅総理が表明した「中部電力浜岡原発の運転停止要請」の政治的意味
菅総理が6日の記者会見で「浜岡原発は東海地震の活断層の領域内にある。M8超と想定される東海地震は30年以内に発生する確率が87%。地震が発生すれば、津波が防波堤を乗り越え浜岡原発を襲う。浜岡原発は福島第一原発と同様の原子炉大災害をもたらす危険がある。大津波用の防御壁が完成する2・3年後まで、運転中の原子炉2基を含む全原子炉の運転を停止するよう中部電力に要請した」と述べた。
通産省原子力安全・保安委員会は「中部電力・浜岡原発は法令に基づいて運転している。総理の判断は政治的判断」と、菅総理の決断を超法規的と解釈した。「法律的に見れば、総理の個人的見解に従う義務はないが、中部電力において然るべく判断されたい」という官僚答弁である。「いかなる結果が生じようとも、原子力安全・保安院は関知しない、菅総理と中部電力の責任」という訳だ。
中部電力は「運転中の原発2基を運転停止して、休止中の火力発電所を復活させるならば、燃料費や修理費を含む年間2000億円超の新たな出費を覚悟しなければならないという。夏場には計画停電に追い込まれるかもしれず、経営陣は株主から損害賠償訴訟を提起されるかもしれぬと恐れた。議論が百出して最終決定を9日に延期した。
中部電力が決定を先送りした背景は、莫大な損失が予想されるほか、民間企業の経済活動を一方的に制限する政府に対する不満があったことと、「責任は下へ、権限は政府へ」という民主党政権の悪しき体質に対する怒りがあったと見るべきだろう。
電力会社は地域独占の保護を受け、赤字決算にならないよう電気料金の値上げを認められてきた。政府から至れり尽くせりの保護を受けてきた電力会社は政府の方針に反抗することはできない。政府側も「電力会社は国策に協力すべき存在」と見下している。経産省は電力会社にキャリア官僚OBを押しつけ天下りさせてきた。電力業界は政・官・業・学癒着の見本である。
仮に、M9からM10と想定される東海・東南海・南海大地震が発生し、高さ数十メートルの大津波が浜岡原発を襲ったとする。原子炉冷却用の電源が喪失し、福島第一原発と同じく、水素爆発や水蒸気爆発が連鎖的に発生したとする。浜岡原発から20キロ・30キロ圏内が高濃度放射能汚染地域に指定され立ち入りが禁止される。東京と名古屋・阪神を結ぶ大動脈東海道新幹線と東名高速道路が遮断される。周辺の浜松市は産業集積都市で、静岡市は政令指定都市。放射能が吹き込むであろう北西方面150キロは首都圏。菅直人が危機感を抱いたのも無理はない。日本経済が崩壊すると感じたのであろう。
もともと、原子力発電所は人口密集地から隔離された僻地農漁村に建設されてきた。大都市周辺地域は住民の賛同がえられなかったことも一因ではあろうがそれだけではない。「事故発生」という万一の事態を想定し、被害を最小限に食い止めるという政治判断があったと推定できる。
中部電力は原発の導入に乗り気でなかったとされるが、沖縄電力を除く本土の全電力会社が国策に協力し原発建設を行う中にあって、中部電力だけが非協力を貫くことは許されない。そこで、中部電力管内には原発の適地がなかったけれども、人口密集地から比較的遠く、地域の協力が得られる浜岡に白羽の矢を立てた。嫌がる中部電力に原発建設を押しつけた経産省としては「甘めの安全対策でよい」と指示して御機嫌をとったとしても不思議ではない。
中部電力と同じく東京電力も、建設用地の選定、地域住民の説得等の困難な作業を担い、原子力発電推進の国策に協力したから、経産省原子力安全・保安院は「電力会社の杜撰な安全対策」を発見しても黙認したのではないか。お互いに痛みが分かるからゴリ押しできない。政・官・業・学の「持ちつ持たれつ」の爛れた、かつ安全軽視の原子力行政が何十年も温存されてきた。
菅直人は浜岡原発の全面的運転停止の期間について「防波堤が完成するまでの2・3年」と表明したが、浜岡原発が運転を再開する可能性はない。一度。運転を全面停止した原発を再開するのは、新たに原発を建設することよりも困難である。地方交付税の増額で潤う地元自治体はともかく、周辺自治体や静岡県が賛成しない。
福島第一原発の事故によって、3キロ圏内は立ち入り禁止、20キロ圏内は放射能遮蔽服を着用して短時間の一時帰宅となった。北西方向40・50キロ圏の計画的避難区域の住民は1ヶ月以内に退去しなければならない。故郷と自宅を追われ、仕事を失い、先祖伝来の墓を守れない。退去命令が出た区域は長く留まると健康被害が想定される高濃度放射能汚染地域である。半減期30年の放射性セシウム137は革命的な放射能除去剤(セシウム137の)が開発されない限り、何十年も放射線を放出する。
政府と御用学者は「大量の放射能を照射される場合を除いて、健康にはほとんど影響ない」と喧伝している。ヒロシマやナガサキで被爆者の健康被害を研究してきた専門家を動員して、放射能無害説を喧伝する。菅総理や閣僚がテレビのニュースで「福島産の農産物を食べて見せる」演技を繰り返す。福島県を初めとする首都圏4000万人が放射能汚染に慣れ親しんでくれるように訓育し教導する。彼らは「健康に影響は及ぼさない」と説明するだけでは国民に警戒されるだけ、と理解した。そして「言って聞かせ、やって見せなければ部下(民)は動かない」という山本五十六連合艦隊司令長官流の部下掌握術を駆使している。国民誘導又は国民洗脳の手口が次第に巧妙になってきた。
福島第一原発の廃炉は決まった。10キロ圏内にある福島第二原発も運転停止中であるが、地域住民の怒りを勘案すると再開は困難だ。新潟沖地震で一部損壊した東京電力柏崎原発も運転停止中。東京電力の原発はほとんどが停止状態。東北電力の女川原発も停止中、中部電力で唯一の原発浜岡原発が今回運転停止となれば、東日本の原発は壊滅状態となる。
菅直人が「危険な浜岡原発の運転を停止させた」ことが共産党や社民党等の左翼陣営を勇気づけ、反原発運動を活性化させた。遠くない将来、菅直人は共産・社民等の左翼陣営から「反原発運動を高揚させてくれた恩人」として称揚される。反体制・反権力の無政府主義的市民運動家として政界入りを果たした菅直人にとっては、元の仲間からの信頼を回復できて本望であろう。
菅直人は「反原発の旗手で、左翼にとって希望の星になった」と解する人間もいる。米国、中国、ロシア、フランス、ベトナム等の原発推進国や原子力関連国際企業集団にとって菅直人は「進路を妨害する敵」と見えている。
第2:菅総理が「他原発に停止求めず」と弁明した背景
菅首相は8日、「浜岡原発の運転停止は切迫している東海地震に備えたもので、全国の原発に対する稼動停止要請はしない。浜岡原発は特別なケースという位置づけだ」と語った。仙石官房副長官は8日のNHKの番組で「エネルギー政策としては原発を堅持する。特に、日本海、瀬戸内海にある原発は心配ない」と強調した。(以上、9日付け読売新聞より抜粋)
菅総理が「浜岡原発の運転中の原子炉2基を含む全面的な運転停止を要請した」ことで、国内外の「反原発運動」を激励する役割を果たした。反原発の国際的な広がりを危惧する米国・フランス等の原発推進国からは菅直人宛の抗議文が集中したと推定できる。「菅総理は日本国の原発推進政策を変更したのか?原発を潰すつもりか」との非難が殺到したはずだ。そこで、菅直人と仙谷由人は同盟国の怒りを沈静化させ、疑念を払拭すべく前記の修正発言を行ったのである。仙谷由人は「原発推進政策を堅持する」と米仏等の懸念を払拭するよう努めているが、菅直人は原子力政策の維持又は変更には触れていない。反原発の本音を隠している。
第3:パフォーマンス政治の末路
民主党政権は「やるやる詐欺」で国民を騙して政権を奪取したが、政権運営にあたっては、責任転嫁と情報の隠蔽を常用して国民の怒りを招いている。さらに、ハトヤマは失政と低落した内閣支持率を回復させるため、沖縄県民に共感するふりをして「普天間基地の海外・県外移転を実現する」と喧伝した。沖縄県民はハトヤマの場当たり的で根拠のない発言に振り回された。結果は周知のとおり。ハトヤマは沖縄県民が喜ぶ「国外移転、県外移転」を民主党政権の政策の中心にすえる喧伝することで、沖縄県民を酩酊気分に陥れた。内閣支持率を維持又は回復させることに成功した。
現在、民主党菅内閣は自公連立政権が米国と合意した「辺野古沖にV字型滑走を建設する案」で、事態の収拾を図ろうとしているが、ハトヤマに騙された沖縄県民の怒りは沈静化していない。ハトヤマの無責任なパフォーマンス政治によって、普天間基地の存続と恒久化が避けられない情勢になった。民主党政権は橋下内閣以来13年間、自公政権が積み上げてきた日米合意の成果を台無しにしたのである。
今回、菅直人が「浜岡原発の全面的な運転停止要請」を表明したのは、浜岡原発が大地震で生起する大津波の襲来に耐えられないと判断したほかに、内閣支持率が急落し、四面楚歌に陥りつつあった政権基盤を立て直す必要があったからだ。政権延命の手段として原発問題を利用した。東日本大震災の勃発によって一命をとりとめた菅内閣は、原発問題を政権延命の手駒に利用した。政権を延命させるためには何でもやるという見本だ。何が「国民生活第一の民主党」だ。「寝言は休み休み言え」といっておきたい。
連日、報道される福島第一原発事故と放射能汚染の実態、高濃度放射能汚染区域から強制退去させられる避難民の悲痛な叫び、自宅を追われ、仕事を奪われ、家畜を処分させられた農民、出漁できない漁師等の映像を見せられている国民は「原発事故の恐怖心」が骨の髄、血の底まで達している。このような社会的不安心理を充満させた上で、菅総理が「浜岡原発の全面運転停止」を表明すれば、つまり国民の不安心理を煽って利用すれば、内閣支持率を急回復させることができると想定したのだ。菅直人はハトヤマが普天間基地移転問題で沖縄県民の願いを悪用したように、大震災と原発事故を政権延命の手段に利用した。
パフォーマンスに偏した政治手法は、国家の利害が衝突する基地移転問題や原発事故対策問題においてはたちまち破綻する宿命(さだめ)になっている。時間をかけ、英知を結集して導きだした結論ではない「思いつきの発想」は現実の前では無力である。たちまちボロが出て破綻する。ルーピー・ハトヤマが破綻したように。
まとめ
1960年の安保闘争前後であったか、我が国のエネルギー政策を「石炭から石油に転換させた」三井三池闘争があった。石炭への依存を唱えた守旧派が総労働側(炭労・総評・日本社会党・日本共産党ら)で、石油への転換を主張した総資本側(経団連・自民党ら)と激突した。総資本が勝利した結果、我が国のエネルギー政策は石炭中心から石油中心に転換した。
次に、「地球上で採掘可能とされる石油埋蔵量は約20年」と心配される時代になった。エネルギー資源の乏しい我が国は「火力発電から原子力発電へ」と大きく舵を切った。原子力発電の推進が、我が国が生き残るための国策となった。世界の石油資源を買い漁りながら、同時に原発建設に邁進している現代中国の姿は、30・40年前の我が国と同じである。
戦後、我が国とドイツに核兵器を保有させないことを主たる目的として「核不拡散条約」が締結された。我が国とドイツは米国の「核の傘」に依存させられ、「核保有国とならないよう」厳重に監督された。IAEAの専門家十数名が我が国に常駐し、原発の運転状況や核燃料の所在を監視しているという。我が国とドイツが原子力研究者・技術者を育成し、原子力発電所建設を国策としたのは「核兵器を保有しないが、いつでも核兵器を製造する能力を保持すること」にあったという説がある。我が国では使用済み核燃料に含まれるウランやプルトニュームは捨て場所に困っている。原子力研究者や技術者も多数誕生させることができた。所期の目的は超過達成されたといってよい。国策として原発を推進しなければならない必然性がなくなった。
膨大な時間と資金を投入した原子力発電の効用については賛否が相半ばしている。ここまで大きく育ってしまった原子力発電を一挙に廃止すれば電力不足に陥り、国民の生活水準を維持できないだけでなく、企業が生産停止に追い込まれ失業者が急増する。国家経済が破綻する。
核燃料の厄介なところは、原発の運転を停止した後何年間も核燃料を冷却し続けなければならないことだ。かつ数年間の冷却手続が終了しても、使用済み核燃料棒を捨てる場所がない。福島第一原発では、使用済み核燃料プールが満杯であるというが、捨て場所がないために止むを得ず、使用済み核燃料プールに一時保管しているという。国内に使用済み核燃料の保管する場所を確保できない日米両国はモンゴル国に同廃棄施設を建設する構想をもっているというが、モンゴル国との協議が進展していない。
原子力エネルギー政策は、好むと好まざるをにかかわらず、歴史的使命を終えたと考える。今後、稼働中の原子力発電の耐用年数が過ぎた順番で運転を停止し、徐々に、太陽光(熱)発電、地熱発電、風力発電、波浪発電等の地域分散型発電に転換させるべきだ。原子力エネルギー政策から人畜無害の自然エネルギー政策への転換(軟着陸)が今後の課題である。
数日前、東大とシャープの共同研究チームが、太陽光を電気に変換する効率が80%を超える実験に成功したとの記事があった。将来のエネルギー革命を予感させる出来事だ。トヨタは2014年から、自宅の電源と蓄電池から充電できるプリウスを大量生産すると発表。時代は大きく動いている。
電気の製造・販売を独占してきた電力会社が歴史的使命を終える日も近い。企業、団体、地域および個人がそれぞれの必要に応じた規模の太陽光(熱)発電機と蓄電池を備えつけ、必要に応じて使うという分散型のエネルギー社会が到来する日も遠くはない。
近未来の我が国では、個人宅の屋根、ベランダ、窓などで太陽光(熱)発電機を作動させ高性能蓄電池に貯蔵し、室内すべての電気製品を動かすことができる。車の屋根に小さな太陽光(熱)発電機を備え、無料でどこまでも走行できる。
遠隔地の発電所で製造した電気を、何百キロも離れた消費地まで高圧電線で移送させることで発生する送電ロスは40%にもなるという。電気を生産する場所と消費する場所が同一であれば送電ロスはゼロだ。経済効率が最も高いといえるし、政・官・業癒着も起こらない。
消費者は電気を買うのではなく、電気製造機と蓄電池という装置を購入する時代となる。時代は大きく動いている。国民も企業も新しい時代を見据えて動き始めた。「既得権」にあぐらをかいて動かないのは政界と電力業界だけである。彼らはまもなく社会的に有害無益な存在とみなされ廃棄される。生成消滅、諸行無常に例外はない。政党も、企業も、団体も、そして個人もこの業から逃れることはできない。
ハトヤマが総辞職に追い込まれた要因は無数にあるが、最後のダメ押しは「オバマ大統領をはじめ欧米首脳から相手にしてもらえなくなった」からだ。この原則は菅直人にも当てはまる。6月下旬の日米首脳会談が無期延期となれば、「菅内閣総辞職も遠くはない」と見るべきだろう。左翼系の朝日・毎日新聞から保守系の読売・日経・産経新聞に至るまで、マス・デイアが一斉に世論操作に動きだすのが政権崩壊の前兆となる。
杜父魚文庫
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