北朝鮮の金正日総書記が頻繁に北京詣でをしているが、米韓軍事演習の脅威を深刻に考えているだけでなく、中国から食糧・肥料・重油を支援して貰うためだと韓国の朝鮮日報が伝えている。
北京の外交消息筋によると「中国当局は金総書記の訪中を前に、約20万トンの食糧・肥料・重油などを支援することで合意したと聞いている。無償援助に一部無利子借款を加え、計1億ドル以上を支援する」という。
<北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は、なぜ昨年から1年余りの間に3回も中国に行ったのだろうか。中国のポータルサイト「新浪」やブログサイト「鳳凰博報」などで1万人以上の読者を抱え、100万回以上のアクセスを稼いでいる外交・安全保障ブロガー「至誠大兵」(ハンドルネーム)は、その理由を六つ挙げた。
まず「北朝鮮が受けている圧力が大きく、急きょ中国という後援者が必要になった」。「至誠大兵」は北大西洋条約機構(NATO)軍がリビアを空爆、シリア・イエメンが制裁・糾弾され、米軍がパキスタンで国際テロ組織アルカイダの指導者ビンラディン容疑者を射殺するなど、最近米国をはじめとする西側の攻勢が強まっていることに注目している。
さらに、「至誠大兵」は「金総書記は中国という切り札を使い、韓米軍事演習の脅威に対応せざるを得なかった」と書いている。また、「経済的援助を得て、国内の問題を解決」「改革・開放を急ぎ、中国に頼り苦境を脱する」「韓中日首脳会議が注目を浴びているため、訪中することにより対等な地位であるつもりになる『分庭伉礼』(=ぶんていこうれい。宮殿の庭で、主人と客とが互いに対等の交際をするという意味)」を訪中の理由に挙げた。
そして、最後に「中国を頻繁に訪れ、金総書記の体が非常に健康であることをアピール、韓国が考えるような北朝鮮の崩壊は起こらないと見せたいから」金総書記は3回訪中したとしている。
実際、中国は今回訪中した金総書記に、食糧をはじめ合計1億ドル(約82億円)以上の経済的支援をすると言われている。北京の外交消息筋は24日「中国当局は金総書記の訪中を前に、約20万トンの食糧・肥料・重油などを支援することで合意したと聞いている。無償援助に一部無利子借款を加え、計1億ドル以上を支援する」と述べた。中国は北朝鮮に年間3-4億ドル(約246-328億円)規模の無償援助を行っている。(朝鮮日報)>
杜父魚文庫
7925 金総書記訪中:「中国が1億ドル以上を支援」 古沢襄

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