民主党内で親小沢VS反小沢の色分けをして、不毛の争いを繰り広げたのは馬鹿げていると、前原前外相は苦言を呈している。脱小沢、小沢切りに血道をあげてきた菅首相に対する痛烈な批判といえる。ポスト菅で前原氏がここにきて一歩先んじた感じを与えるのは、民主党内で血道をあげた党内抗争にすっかりうんざりしている議員心理を巧みに掴んだものだといえよう。
そこにくると岡田幹事長は首相と一心同体。首相の意を受けて脱小沢、小沢切りの先兵となってきた。ポスト菅で前原氏の対抗馬と目されている岡田幹事長にとっては損な役回りだったといえる。もともとが群れを作らない”一匹オオカミ”の性格だから、味方や同志と名がつく者の数が少ない。
そこにもってきて、頑なに小沢離れを貫く原理主義者だから幅がない。一緒にメシを食ってもワリカンだと言って自分の分しか払わない・・・と評判が悪い。明らかに前原氏よりも損な性格だといえる。
今の民主党では集まると早くもポスト菅をめぐる後継者の話題で花が咲くという。主流派の前原、岡田だけでなく非主流派の原口前総務相らも話題の対象になっている。それだけ菅政権の土台骨が揺らいできている証拠といえる。
六月上旬に自民、公明両党が内閣不信任決議案を出す方向となったが、民主党内からの造反の出方によっては政変となる可能性がなしとはしない。そこにポスト菅の思惑がからむから、なにやらただならぬ雲行きとなっている。永田町の夜の会合が増えてきた。
<自民、公明両党が6月上旬にも提出する内閣不信任決議案をめぐり、民主党執行部と同党内の「反菅」勢力が神経戦を繰り広げている。菅直人首相への批判を強める小沢一郎元代表に近い議員らが不信任案への同調を模索。これに対し、岡田克也幹事長ら執行部は、締め付けに躍起だ。
「政治家がパフォーマンスをしてはいけない」。小沢氏と同様、政権批判を繰り返す鳩山由紀夫前首相は26日、名指しを避けながらも、首相の福島第1原発事故や東日本大震災からの復興への取り組みを、「パフォーマンス」と断じた。
鳩山氏は24日夜、小沢氏と輿石東参院議員会長を誘って会食し、事故に関する政府の説明が二転三転していることは重大な問題との認識で一致。小沢氏は翌25日、都内の事務所を訪ねた中堅議員に「官邸の対応を怒りを持って見ている。今、決断をし、行動をしなければならない」と語った。
「小沢氏詣で」を繰り返す側近議員らは、口々に「小沢さんは不信任に同調する」との見方を示す。「反菅勢力」内の急進派とされる数人は不信任案への同調者を募って署名を集めており、「可決に必要な数は集まった」とアナウンスする。
もっとも、「反菅勢力」内にも、「戦略なしで突き進めば討ち死にだ」と、署名はしても不信任案への同調に慎重な議員も多く、急進派議員の言葉は、額面通りには受け取れない。これに対し、党執行部は「造反つぶし」に懸命だ。岡田氏は26日、輿石氏と会い、「状況は甘くない」と危機感を伝えた。
この後の記者会見で「不信任案に賛成なら自ら党を出るのが当然で、党にとどまるなら処分する。欠席でも同じだ」と、採決欠席でも除名する意向を示し、「反菅勢力」に圧力をかけた。被災地の復興は進まず、原発事故の収束も見えない状況下、民主党内の対立が激化しているのは間違いない。(時事)>
杜父魚文庫
7931 親小沢VS反小沢の抗争は馬鹿げている 古沢襄

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