一両日前に細野豪志は55分中断の件の記者会見で「福島の吉田所長を処分するか」との質問に対して、「東電内部のことだから」と答えを留保した。この程度でも答える感覚は異常だが、そういう質問をするマスコミ側もおかしい。
とは言っても、菅内閣の事故発生以後の振る舞いを見ていれば、総理、海江田経産相、枝野官房長官、細野豪志は東京電力と言う駄目会社を如何様に処置・処分しても良いという権利と権限を、天からでも賦与されたと思い込んでいるとしか見えない。
菅総理は本店に乗り込んで怒鳴り回したと言うし、海江田大臣は役員報酬の減額幅不満だと介入した。
27日昼前のフジテレビでは(フリップ)チャートには麗々しく吉田所長の処分と記載され、キャスターは「それがあり得るか」とゲストの青山繁晴氏に質問していた。
マスコミは菅内閣は東京電力という会社と役員の生殺与奪の権を持っているので好き放題を許されているとの前提で、取材しているとしか見えない。奇怪極まりない。
最早、東電は事の重大性からすれば一民間の私企業的な立場にはないかも知れないが、政治主導が企業にまで及ぶと考えているのは常軌を逸している。
民間企業が怪しからぬ運営をすれば介入し、幹部社員や役員の人事にまで口を出す権限があるのならば、膨大な数の個人情報をハッカーに奪われた民間の電器会社には「我が国海外での信用を毀損した」と、何故口を出さないのかと尋ねたくなる。
また、社長と会長の報酬の額が高過ぎるなどと報じたマスコミのセンスを疑う。確かに東電の役員報酬は高いかも知れないが、外野が云々することではない、余計なお世話だろう。「高過ぎる」等と言うのは、単なる嫉妬ではないのか。
何れにせよ、民主党は東電を嬲りものにして何の得があったか、どれほどの好結果が出たか。情報が正しく上がってこなかったと喚くか、自分たちがどれほど正確に適時に情報を国民の皆様に向かって発信できていたのか、反省したことはないのか。他人様のことを言える立場か。
理論的には吉田所長が組織内で上から発せられた指揮・命令に背いたのだったならば、何らかの処分があっても仕方がないだろう。しかし、青山氏は「余人を以て代え難し」という意味のことを言っていた。
菅総理を降ろさないのは「川の途中で馬を乗り換えられない云々」と民主党は屁理屈を言い続けた。それならば、吉田所長を途中で変えてどれほどの効用があるのかを知りたい。細野豪志は2ヶ月だかで原発のことは解ったと豪語したのだから、ここ一番吉田所長の後任に名乗りを上げたらどうだ。
杜父魚文庫
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