半世紀ぶりの水涸れ、黄河の17倍の推量を誇った揚子江に水がなくなった恐怖。
洞庭湖は中国最大の湖、往時は北海道の三分の一ほどの湖面面積があった。年々歳々、工業化によって土砂が流入し、湖面が汚染されてきた。ついには水涸れ。洞庭湖は地域的に一滴の水もなく、湖底が地割れを示している。
とくに武漢をでて広州へ向かう中国自慢の新幹線は岳陽―泪羅間の周辺で、湖底が黒く剥き出しの地面しかないという(多維新聞網、6月2日)。
同誌は次のように暗黒面を比喩して言う。「2008年は華南に大雪、09年は四川、重慶地区に百年ぶりの洪水被害、10年には西南地区五省に干ばつ、11年は揚子江流域の干ばつ。この間、08年には三峡ダムを遠因とする四川省大地震が起きた」。
2011年四月以来、一滴の雨も降らず、湖北、湖南、安徽省、江西省、江蘇省と上海市は水飢饉に襲われ、干ばつ被害による農地荒廃は700万ヘクタール。
三峡ダムの貯水は二割程度、下流域は川底が地割れ、揚子江が水涸れという異常事態は半世紀ぶり、とニューヨークタイムズも大きく写真入りで伝えた(6月2日付け)。
杜父魚文庫
7961 驚くなかれ! 長江流域が干ばつ被害 宮崎正弘

コメント