青森知事選も民主党は敗北を喫した。中央で菅首相が政権の座にしがみつく様は、地方選で有利に働く筈がない。各紙の世論調査をみても菅内閣の不支持が支持の倍になったまま動かない。
それでも政権の座にしがみつき、早期退陣には言を左右にして言質をとられない様に汲々としている。枝野官房長官が八月退陣説を示唆していたが、八月になれば居座りの発言をするだろうと政界では信じる者がいなくなった。
<与野党対決となった青森県知事選は5日、投開票が行われ、無所属現職の三村申吾氏(55)=自民、公明推薦=が、無所属で元県議の山内崇氏(56)=民主、国民新推薦=ら2新人を破り3選を確実にした。4月の統一地方選で大敗した民主党は、またも地方選を勝利できなかった。
自民党の大島理森副総裁(衆院青森3区)は5日夜、「被災地の選挙でこういう結果が出たのは、菅政権への不信任と言わざるを得ない。菅首相の早期退陣の上に、新しい政治体制を作り、復旧、復興に向けて努力をしなければならない」と民主党を批判した。
三村氏は2期8年の実績を強調。産業振興政策をさらに進めることなどを中心に訴えた。定数48の県議会の6割以上を占める自民県議の全面的支援を受け、安定した選挙戦を進めた。
青森県は原子力関連施設が多く、県財政は原発に依存している。知事選では、福島第1原発事故を受けた原発問題も争点の一つになったが、三村氏は原発問題に積極的には触れず、青森県独自で「安全検証委員会」を設置する方針を掲げて当選した。民主党推薦の山内氏は、かつては三村氏と同じく原発推進派だったが、選挙戦では「原発新設の凍結」を打ち出し、三村氏との違いを強調した。それでも、有権者の支持は得られなかった。
三村氏は安全検証委員会設置に向けて原子力工学や地震、津波の専門家の人選を進めている。ただ、県独自の検証には、限界を指摘する声もある。(産経)>
<政権維持に並々ならぬ執念を示してきた菅直人首相が4日、早期退陣を明言した。ただ、首相は2011年度第2次補正予算案や特例公債法案を自らの内閣で仕上げる意向だ。今夏中に退陣する政権がレームダック(死に体)化するのは確実。野党が即時辞任を求め、混迷がさらに続く可能性もある。
首相は2日の内閣不信任決議案を採決する直前の民主党代議士会で、震災対応に「一定のめどを付けた段階」での退陣を表明。これにより、同党から大量の造反者が出る事態は回避した。ところが、この後の記者会見で首相は東京電力の工程表が福島第1原発の原子炉を冷温停止する目標とした来年1月まで政権を担う意向を示唆した。
出処進退をめぐる首相の言動は、野党の猛反発を招き、民主党内の亀裂を一段と深めた。首相としては、早期退陣の姿勢を示すことで事態を収拾するしかないと判断したとみられるが、未曽有の国難の中、国のリーダーが自らの進退で言を左右にした結果、混乱を拡大させた責任は極めて重い。
早期退陣の見通しとなったとはいえ、首相への信頼は決定的に揺らいでいる。このままでは野党が審議に応じる可能性は低く、財政運営に不可欠な特例公債法案など重要法案の成立はなお不透明だ。被災地不在の政争が続けば、政治の信頼がさらに遠のく。(時事)>
杜父魚文庫
7975 混迷さらに続く?首相早期退陣? 古沢襄

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