7982 ポルトガルの大連立  宮崎正弘

明日の日本の大連立に参考となるか、ならないか?ポルトガル総選挙、左翼惨敗、中道右派と保守政党の連立へ。
6日に行われたポルトガルの総選挙は与党が敗北。社会党のソクラテス党首は辞任を表明した。
結果は中道右派「民主社会党」(パソス・コユリョ党首)が39%を獲得して第一党に。第三勢力の保守政党「民衆党」と連立を組む。
ギリシア債務危機に端を発したユーロ加盟国の通貨ならびに経済危機は、アイスランド、スペインを襲い、ポルトガルの債務不履行も時間の問題と言われた。
スペインでも有権者の反乱は左派政権を窮地に追い込んでおり、アラブの春をもじって「スペインの春」(TIME)と言われる。
ポルトガルは嘗てスペインと世界を二分した強国、日本にも種子島に火縄銃をもたらして以来、信長、秀吉の頃まで圧倒的パワーがあった。アジアではマカオを落とし、台湾を一時占領していた。
ポルトガルの没落は1755年のリスボン地震、津波、そして大火という災禍以後である。爾後、リスボンは都市として再建されたが、カソリック教会の影響は低下し、ポルトガルは歴史の舞台から消えた。
 
日本? 「地震、津波、そして大火(福島原発)」。経済危機はポルトガルの構造が逆さま(日本は海外債権が280億ドル、債権國)だが、政治的流れは似ている。与党惨敗、保守と中道右派の連立は明日の日本のシナリオではないのか。
 
杜父魚文庫

コメント

タイトルとURLをコピーしました