22日に会期末を迎えるが、会期延長で与野党の話し合いがついていない。民主党の岡田幹事長は120日程度の大幅延長を提案したが、野党側は退陣の時期を明確にしない菅首相に反発して調整が難航している。
このため岡田幹事長は首相の退陣条件を、①第二次補正予算案②赤字国債を発行するための特例公債法案③再生可能エネルギー固定価格買い取り法案の成立後とする方向で最終調整に入った。
しかし首相の退陣条件に再生可能エネルギー固定価格買い取り法案の成立をからめたことに反発して調整がついていない。話し合いがつけば、21日中に首相が記者会見をするという。
<政府・民主党は20日夜、菅直人首相と岡田克也幹事長ら幹部が首相公邸で約2時間にわたって協議し、首相の退陣時期について、11年度第2次補正予算案と赤字国債を発行するための特例公債法案、再生可能エネルギー固定価格買い取り法案の成立後とする方向で最終調整に入った。
22日に会期末を迎える通常国会の延長に野党側の協力を得るためで、首相が21日にも表明する。岡田氏は20日の与野党幹事長・書記局長会談で10月中旬まで120日程度の大幅延長を提案。一方、野党側は退陣の条件として再生エネルギー法案成立まで含めることに反発し、与野党の駆け引きが続いている。
◇2次補正・公債法・再生エネ法
政府・民主党の幹部協議には枝野幸男官房長官、仙谷由人代表代行、輿石東参院議員会長、玄葉光一郎政調会長、安住淳国対委員長が出席した。協議後、枝野氏は記者団に「円満な会期延長ができるように幹事長のもとでギリギリまで野党と相談するということだ」と説明。会期延長が決まれば、21日中に首相が記者会見することも検討している。
◇会期延長120日程度提案
これに先立ち、与野党は国会内で幹事長・書記局長会談を開き、岡田氏は「第3次補正予算案を視野にかなり長い延長をお願いしたい」と述べ、復興対策を盛り込む3次補正を成立させるため120日程度の延長を提案。3次補正の提出は8月下旬か9月上旬になるとの見通しを示した。併せて「菅首相は2次補正の編成、特例公債法案と再生エネルギー法案の成立に強い関心を持っている。このことと会期延長は関係しない」と表明した。
自民党の石原伸晃幹事長は「(会期延長後)4カ月間、菅首相の延命に手を貸すことはできない」と述べ、退陣時期とそれまでに処理する法案を明確にするよう要求。3次補正提出前に閉会して民主党代表選を行い、改めて臨時国会を開くことも提案。社民党とたちあがれ日本も3次補正前の閉会を求めた。
公明、共産両党などは大幅延長には理解を示したが、公明党の井上義久幹事長は「首相の退陣時期をめぐって民主党内が混乱し、事実上の政治空白で国益を損ねている」と首相の早期退陣を要求。21日の衆院本会議で延長期間を決めるため、同日午前に改めて与野党幹事長・書記局長会談を開くことになった。
菅首相は2日に「一定のめど」で退陣する意向を表明して以降、退陣時期をあいまいにしてきた。自民党側には大幅な会期延長が首相の延命につながるとの警戒感が強い。再生エネルギー法案の成立に意欲を示す首相の言動が疑心暗鬼を招き、会期延長をめぐる与野党調整が会期末の前日までもつれ込んだ。【野口武則、念佛明奈】(毎日)>
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