拉致問題の関連で、こんな記事を書きました。
〔ワシントン=古森義久〕北朝鮮による日本人拉致事件の「家族会」「救う会」「拉致議連」の合同訪米団は13日、米国上院の仮議長で最古参のダニエル・イノウエ議員(民主党)と会談したが、同議員は米国当局が北朝鮮による日本人拉致事件の情報を事件後まもない1970年代末ごろからつかみ、同議員自身が北朝鮮訪問の際に北側に詰問したことを明らかにした。
合同訪米団の松原仁衆議院議員らによると、現在、上院歳出委員長でオバマ政権にも影響力の大きいイノウエ議員は日本側の拉致関連代表とは初めて会談し、北朝鮮工作員による日本人拉致には長年、関心と知識をもち、その解決を願ってきたことを告げた。
イノウエ議員はそのうえで自分が上院情報特別委員長を務めていた79年ごろから83年までの時期に同委員会として北朝鮮を訪問した際、北側に対し、日本人拉致問題を提起し、詰問したが、北側は犯行を否定したことを明らかにしたという。
松原議員らによると、イノウエ議員は米側当局が独自に北の日本人拉致を知っていたことを明かし、「日本政府も知っていたと思うが、追及する関心がないようなので外交儀礼上、そのままにした」と述べた。
日本政府が北朝鮮による日本人拉致の「容疑」を公式に発表したのは97年5月で、それ以前は一部の高官の個別の言明を除いて事件追及の姿勢はとらなかった。横田めぐみさんらが拉致されたのは77年で、イノウエ議員の言明によれば、米国の政府や議会は北朝鮮の犯行をその数年後には確実に知っていたことになる。
イノウエ議員は米側がその情報を日本政府に直接、伝えたとは明言しなかったが、「日本政府も知っていたと思う」という表現で通報の可能性を示唆した。その場合、日本政府は米側からも北朝鮮の犯行を知らされながら、明確な行動を長年、取らなかったことになる。
松原議員は14日のワシントンでの記者会見で、イノウエ議員のこうした発言の内容を明らかにし、日本政府が北朝鮮による日本人拉致を知っていながら、放置した事実について「こんごわれわれが失地回復に努めたい」と述べた。
杜父魚文庫
8143 アメリカは日本人拉致の真相をずっと知っていた 古森義久

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