8187 小沢氏「菅さんでなければどなたでも」  古沢襄

沈黙を守っていた小沢一郎氏が菅首相の退陣を求めて動き出した。一方、菅首相の数少ない理解者といわれた国民新党の亀井静香代表が首相補佐官の辞表を出すといわれる騒ぎが起こっている。四面楚歌の中で、ひたすら居座りを策する菅首相だが、八月退陣を迫る包囲網が狭まりつつある。
<民主党の小沢一郎元代表が菅直人首相の退陣を見据えついに動き出した。政治資金問題で党員資格停止処分を受けてから表舞台に出ることを控えていたが、28日に記者会見を開き、首相を徹底批判した。盆明けに照準を合わせ退陣圧力を一気に加速させる構えだ。これに合わせ党内最大勢力を誇る小沢グループは「ポスト菅」候補の値踏みに本格的に着手し、政策の練り直しも開始した。狙うは主導権奪還だ。
「僕の常識では理解できない!」
小沢氏はフリー記者らでつくる「自由報道協会」主催の記者会見で首相がなかなか辞任しないことにあきれてみせた。
今国会では6月2日に内閣不信任案が否決されており、同じ国会で再提出するのは「一事不再議」の慣例で認められないとされる。だが、小沢氏は「不信任案は提出者と理由が違えば一事不再議に反するものではない」と強調し、再度提出された場合は賛成する可能性をちらつかせた。
側近たちも動き出した。旗印は「反増税」だ。
衆院当選1回の小沢系議員でつくる「真の政治主導を考える会」は28日、代表選出馬の準備を進める馬淵澄夫前国土交通相を招き勉強会を開いた。
「増税は瀕(ひん)死(し)の重症患者にバーベルを持ち上げさせるようなものだ」
首相の増税路線を批判した馬淵氏は会合後、記者団に「リーダーとして立った場合、どう考えるか検討していく使命がある」と述べ、代表選への強い決意を示した。出馬に必要な推薦者20人を集められるかが焦点だが、会合出席は小沢氏との連携を模索するのがねらいとみられる。馬淵氏の反増税路線は小沢氏と軌を一にしており「小沢氏は馬淵氏を推すのでないか」との臆測も流れている。
もっとも、会合の狙いは違うところにあると、中心メンバーの一人は明かす。
「攪(かく)乱(らん)作戦の一環だ。臆測を呼ぶために仕掛けたんだ。小沢グループが誰につくのか最後まで分からないようにもっていくのが俺たちの仕事だ」
小沢グループの中核「一新会」も「公約実行のための財源確保勉強会」を設立し初会合を開いた。参院小沢系も加わり出席者は約50人。ここでも批判の矛先は首相の増税路線に向いた。
小沢氏は足場固めにも余念がない。28日夜には1回生議員約10人と都内の洋風居酒屋に繰り出した。
「みんなで一致結束して頑張ろう!」
赤ワインを口にしながら気勢を上げる小沢氏。その姿はまるで「血の結束」を誓い合うかのようだった。小沢グループには有力候補はいないが、結束すれば「数の力」を発揮でき、党内主流派への返り咲きも可能となる。
小沢氏は代表選で誰を推すことになるのか。会見では「自分の責任で決断できる人。約束を守り、みんなが信頼できる人」と首相と正反対の人物像を挙げ、最後に不敵な笑みを浮かべながらこう語った。
「菅さんでなければどなたでもいい」(産経)>
<国民新党の亀井静香代表が28日、郵政改革法案を審議入りさせない民主党に激怒して、首相補佐官の辞表を準備するという騒動が起こった。これを受け、菅直人首相は数少ない理解者の離反を恐れて、8月5日の同法案の委員会付託を確約するハメに陥った。
「あんた、今日中に付託すると約束しただろ? 午後5時までにやらなかったら補佐官を辞任する」
亀井氏は28日朝、首相に電話で通告した。首相は国民新党の自見庄三郎郵政改革担当相の目の前で、民主党の岡田克也幹事長に電話で審議入りを指示するパフォーマンスも演じたが、自民党の反発を懸念する岡田氏から色よい返事はなかった。
首相は同日午後、「5日の付託は責任を持つ。最後のお願いだ」と亀井氏に電話で懇願して事なきを得たが、亀井氏からは「1週間の執行猶予だ。約束を破ったら決定的な対決に入るぞ!」と再び脅される始末だった。(産経)>
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