8296 リビアの政権交代は内政と中国外務省  宮崎正弘

カダフィは去った、つぎはシリアだとアラブの春は勢いを増す環境下。中国は静かに声明を発表。「リビアの内政問題、復興への国際協力に貢献したい」。
カダフィ体制崩壊が明確になった。中国外務省は沈黙を破って声明を発表し、「リビアの政権交代は内政であり、リビア国民の選択を尊重する。中国はリビア復興へむけての国際事業に協力を惜しまない。安定の回復を望み、リビアに関しての国連決議に拒否権を発動しない」
中国は態勢の変化を読んで三月からベンガジの「国民評議会」とも頻繁に連絡を取ってきたが、ガソリン不足という経済的原因が政治の姿勢を激変させたのである。
リビア経済そのものは規模も小さく、中国広東省深センの経済規模とリビアは同じだが、中国の原油輸入国としては11番目に位置し、アフリカ投資ではリビアは四番目だった。
中国の姿勢転換は留意すべきことであり、次はシリアの独裁体制が崩壊するか、どうか。
アサドは年初来すでに頻発する抗議デモに軍を動員して発砲させ、2200人もの自国民を弾圧して粛正しており、欧米はアサドに見切りをつけたと見られる。
サウジアラビアはリビア体制激変の終幕をみつつ、石油生産の調整を宣言、このため8月22日から原油価格は下落した。
前日までに金価格は史上空前の一オンス=1898ドルをつけており、日本株は年初来最悪。円は一ドル=75円という未踏の領域に入っていた。
 
杜父魚文庫

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