8333 君は功業をとれ、我は忠義を尽くさん 西村眞悟

「君は功業をとれ、我は忠義を尽くさん」この言葉は、映像教育研究所を主催する友人でカメラマンの稲川和男さんの事務所に掲げられている。
これは、幕末の安政の大獄で刑死した吉田松陰の発した言葉である。まさに、この言葉自体が、敬仰する吉田松陰の人生そのものである。
 
稲川さんとは、平成九年五月、共に4・5㌧の小舟に乗って尖閣諸島の魚釣島に上陸した。尖閣上陸時の動画は稲川さんが撮影し、静止画は同じ船で行ったカメラマンの不肖宮島茂雄さんが撮影した。
それから稲川さんは、常に私の活動を撮影してくれた。日本やアメリカのワシントンでの拉致被害者救出活動、ミャンマーそしてフィリピンのスービック基地での活動。従って、アメリカ人や日本政府が拉致被害者の映画や広報ビデオを作ろうとするときには、稲川さんの映像を借用しなければ制作できない。
また、不肖宮島さんは、ますます世界の戦場カメラマンとして大活躍を続け、三月十一日の東日本大震災発災以来二ヶ月にわたって被災地に留まりカメラを撮りまくった。
そしてこの度、被災地の東北の人々を撮った写真集「再起」を出版した。その表紙の裏には、「勇気とは、困難に立ち向かう東北人のためにある!」と書かれている。
かつて私と共に東シナ海を渡った二人のカメラマンは、共に今日に至るも、己を虚しゅうして貴重な映像を記録し続けている。その稲川さんの事務所にあるのが冒頭の吉田松陰の言葉、
「君は功業をとれ、我は忠義を尽くさん」如何にも彼ら稲川、宮嶋にふさわしいではないか。
では、その吉田松陰の言葉を何故、今日の時事通信の表題にしたのか。 それは、野田総理大臣誕生を見て思い浮かんだからである。
彼は、靖国神社に参拝せず、ひたすら民主党内で出世する道を歩んだ。そして、日教組の頭目を幹事長に据えるのと引き替えに、民主党の代表となった。
即ち、彼は、功業を選んで忠義を捨てたのである。しかし、これは何も彼だけのことではない。民主党の面々また政界の面々に、吉田松陰の言う「忠義とは何か」即ち「命に替えても貫くべき価値と信念」に直面した者がどれほどいるのか。
愕然とするほど少数であろう。我が国を取り巻く内外の情勢が日に日に厳しさを増しつつある今、国家に対する忠義を意識せずに功業に生きる者には、到底、我が国家の尊厳と独立自尊を守り得ないであろう。従って彼らが功業に生きても、私は、天によって「忠義に生きる」。
このような暗澹たる思いと決意の本日、私は何をしたか、誰と会ったかを書いておこう。本日昼、後醍醐天皇の皇居である吉野の吉水神社に走った。
先祖は南朝の為に戦い生きたと、父が言ったことを思い起こしたのだ。そして、吉水神社・勝手神社に参拝し、庭に出て北に歩き、後醍醐天皇が北の京都を臨んだ門の前で佐藤一彦宮司に先導され九字を切って邪気を払い国家の安泰を念じた。 
九字即ち、臨、兵、闘、者、皆、陣、裂、在、前!
次に吉野から堺の事務所に帰り九州からのお二人の訪問を待った。約束の定刻五時に来所されたのは、大牟田青年会議所の永松大悟さんと福江青年会議所の土岐達也さんであった。
お二人は、青年会議所九州地区協議会が主催する「ナショナル・アイデンティティー確立フォーラム」開催の事前打ち合わせのためにわざわざ九州から堺に来られた。
このフォーラムは、参加者に、「『国益、国防、憲法問題、日本人としてのアイデンティティー・・・』また『領土領海問題、近現代史・・・』、これらの問題を他人事として考えてはいないだろうか?『尊敬される日本』として、そして『自立した九州の創造』のために求められる確かな国家観とは!」(パンフレットより)
を問いかけるために開催される。そして、彼らはこのフォーラムにおいて、私に基調講演をするように依頼された。フォーラムを企画する中で、基調講演の講師を誰にするかとなったとき、西村に頼もうという声が多数を占めたという。
私は言った。「若い皆さんが、私を講師に選んでくれてうれしい、名誉と思う。しかし、私が我が日本国家のアイデンティティーを話すとき、戦後という空間では『右翼反動』というレッテルを貼って封印されている領域に入るが、いいのか」
彼らは答えた。「大いに結構」と。この若き経営者達の依頼!男児、意気に感じるではないか。そして、「忠義」を語る場を頂いたのだ。
 
よって、日本青年会議所九州地区協議会主催の「ナショナル・アイデンティティー確立フォーラム」の開催日時と場所を以下に書いて、九州地区に住む国を思う皆様の一人でも多くのご来場をお願い申し上げたい。
 
 開催日時
  平成二十三年九月十日(土)13:00~14:30
 開催場所
  全労災ソレイユ7Fカトレア
  大分市中央町4丁目2番5号 
  TEL 097-533-1121
 入場無料
皆さん、9月10日、九州の大分でお会いしましょう。
杜父魚文庫

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