8355 東アジア共同体ビジョンは必要ない  古沢襄

野田首相の外交路線は日米同盟の重視に回帰していくのではないか。民主党内では保守派と目される野田氏は鳩山元首相の東アジア共同体構想、小沢元代表の米中等距離外交には組みしない。かつて大平元首相が日本は自由主義陣営の一員という外交路線を強く打ち出したが、それに近い考え方といえる。
近く発売される月刊誌「Voice」に、「わが政治哲学」と題する論文を発表するが、この中で「平成24年(2012年)は、多くの国々で指導者が代わる。権力の交代時期には、とかく波風が立ちやすい」と指摘して、東アジア共同体構想の推進よりも、日米同盟の強化を唱えている。前原政調会長(元外相)と同じ外交路線だといえる。
<野田首相が近く発売される月刊誌「Voice」に、「わが政治哲学」と題する論文を発表することが6日、分かった。
論文では当面の外交課題について、「東アジア共同体などといった大ビジョンを打ち出す必要はない」とし、鳩山政権が掲げた「東アジア共同体」構想を事実上棚上げする見解を示した。同共同体構想を巡っては、米側に「米国と距離を置こうとするものだ」と警戒感が広がった経緯がある。
首相は「平成24年(2012年)は多くの国々で指導者が代わる。権力の交代時期には、とかく波風が立ちやすい」と指摘。中韓などとの領土を巡る摩擦を念頭に「領土領海に絡む重大な事件が発生した場合に日本がいかなる姿勢を打ち出すべきか、シミュレーションをしておくことだ」と強調した。(読売)
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