8365 鉢呂経産相発言と福島からの手紙と政治家の言葉 阿比留瑠比

日教組の組織内議員である鉢呂吉雄経済産業相が、福島第1原発視察から帰京後、記者に「放射能をうつしてやる」とふざけて防災服をすりつけたという心ないエピソード(ご本人はよく覚えていないとのこと)から、先日、福島市在住の読者から私宛てに届いた手紙を思い浮かべました。
放射能不安から仕事の契約がキャンセルされ、賃貸中の店舗の家賃収入も絶たれ、国税庁に納税の相談をしようと電話をかけるとぞんざいに扱われ……。手紙にはこう書いてありました。
「私は甘えているのではありません。ただ無理に無理をしてがんばっている福島県民に何の保護も受けられない人もいることを知って、考えてもらいたいのです」
そして、東京の電車内で次のような会話を耳にし、怒ることもできないほど打ちのめされたというのです。私もショックを受けました。
「福島を東京のごみ置き場にしてしまえばいいのにね」「(そうしたら)年金も削られないかもね」
……軽口、冗談のたぐいなのでしょうが、やはり口にしていいことと悪いことがありますね。自戒も込めて言えば、想像力の欠如は罪だと思います。菅直人前首相は在任中、「歩く姿は風評被害」といわれるほど、無責任で場当たり的な発言を垂れ流し続けましたが、野田内閣の閣僚もアレに似たようなものでは困ります。
政治家、特に責任ある首相や閣僚は、自分の発言が相手にどう受け取られ、どんな影響を及ぼすか当然、考えてしゃべってもらわないといけませんね。鉢呂氏は大臣と呼ばれるようになって舞い上がっていたのか何だか分かりませんが、あまりに軽い。「いいじゃないか、人間だもの」とはいきません。
もううんざりなのですが、野田内閣の閣僚からはこれからも問題発言が飛び出しそうで、嫌な緊張を強いられます。藤村修官房長官は昨日のインタビューで早速、野田佳彦首相の持論であった集団的自衛権の政府解釈の見直しを否定しましたし、とにかく安全運転を心がけているようですが、菅氏のように最後まで「無免許」運転というようでは、安全も何もあったものではありませんね。
杜父魚文庫

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