英ロイター通信は枝野前官房長官の経産相起用について、市場では成長戦略の前進が期待できるとの声が出ている・・・としている。旧社会党出身の鉢呂前経済産業相は僅かな在任期間だったが、不安定な発言を繰り返し市場では顰蹙を買う空気があった。
その点では枝野氏は官房長官時代に記者会見を手堅くこなし、失言などもなかった。もっとも自民党など野党側からは「原発対応をきちんとやれず、震災復興に手間取った菅内閣の官房長官」と枝野氏の人事は”不適任”と批判する。
<[東京 12日 ロイター] 野田佳彦首相は12日、失言問題の責任をとって辞任した鉢呂吉雄・前経済産業相の後任に枝野幸男前官房長官を内定した。今夕に藤村修官房長官が正式に発表する。市場では、枝野氏の起用について、成長戦略の前進が期待できるとの声が出ている。
民主党幹部は12日午前、枝野氏が新経産相に内定したことを認めた。藤村官房長官は午前の会見で、経産相人事について「特に福島(原発事故)の問題に復興担当相や原発担当相とともにしっかり取り組んでもらえる人」が必要とし、「適材適所の考えは変わってない」と語った。
野村証券金融経済研究所・チーフエコノミストの木内登英氏は、枝野氏起用について、1)菅政権で原発事故の対応に深く携わってきた、2)記者会見を手堅くこなし、失言などもない、3)民主党内では前原グループに所属し、原発規制行政の再編を担当する同グループの細野豪志原発担当相とも密接に連携できる──などがポイントになったと分析。
そのうえで「財務相、経済財政担当相とともに主要3閣僚が前執行部の中核メンバーで固められたことになる」とし、「枝野・新経済産業相の下で成長戦略も前進することが期待され、今回の人選は経済や金融市場にポジティブ」と評価している。
鉢呂前経産相は、福島県の原発事故被災地について「死の町」と発言したことなどの責任をとり、10日に野田佳彦首相に辞表を提出、受理された。首相は枝野氏の起用で、福島第1原発の事故収束に向けて態勢を立て直し、13日召集の臨時国会に臨む。枝野氏は、菅政権で官房長官を務め、東日本大震災と福島原発事故への対応で、官邸の中心的存在として調整にあたってきた。(ロイター)>
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8374 新経産相に枝野前官房長官が内定、成長戦略前進に期待の声 古沢襄

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