国会議員懇談会での私の講演の内容紹介を続けます。主題は「中国の海洋戦略への米国の対応、日本の課題」でした。
今回は中国が海洋の主権の一方的な拡大にいかに軍事力を使ってきたかの実例紹介です。しかも相手が弱いとみたときに、スパッと軍事の切り札を使うという手法です。
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中国の海洋戦略の第四の特徴は軍事力への頻繁な依存です。最近も南シナ海で中国の軍関連の艦艇がベトナムやフィリピンの船舶や基地に手を出したり、威圧をかけています。だがこれは氷山の一角で、中国が海洋紛争に軍事力を実際に使ってきた記録は多々あります。
古くは1974年、中国海軍は当時の南ベトナムが統治していた南沙諸島に奇襲攻撃をかけ、いくつかの島を奪いました。
88年にもまた南沙でベトナム軍に海戦を挑み、撃退して南沙の版図をさらに広げました。94年にはフィリピンが統治していた中沙諸島のミスチフという環礁を中国軍は軍事力で奪取しました。
これら実例は、74年には米軍のベトナム撤退、88年には米軍が中東に専念、94年には米軍がフィリピンのスービック基地から撤退と、いずれも紛争相手国が弱体となり、米軍の介入もありそうもないという状況を選んでの、きわめて都合のよいタイミングでの武力行使でした。
要するに中国は軍事力で勝てると判断すれば、ためらいなくそれを使う傾向を歴史的にも立証してきたわけです。(つづく)
杜父魚文庫
8379 中国は海洋戦略で軍事力をどう使ったか 古森義久
古森義久
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