8395 野田政権が迷走を始めた 古森義久

こんな動きはやはり野田政権の分裂体質を象徴するのでしょうか。「分裂」とは、小沢ファクターを始めとする「水と油」を混ぜようとする特徴のことです。
■輿石氏、頓挫 強硬路線を一転「会期延長」 秘密主義に反発、国対幹部3人辞表
衆院は16日の本会議で、臨時国会の会期を30日まで14日間延長することを全会一致で議決した。民主党は当初、16日までの4日間の会期で閉会する方 針で、輿石東幹事長は延長を否定し続けてきたが、今後の与野党協議を考え会期末ギリギリで方針転換。この日の与野党幹事長会談で延長を提案した。だが、輿 石氏の情報管理などで16日朝まで延長方針を知らされていなかった松本剛明国対委員長代理ら国対幹部3人は同日、辞表を提出した。野党の要求に基づく延長 決定は異例であり、ねじれ国会の司令塔としての輿石氏の力量に疑問符がつきそうだ。(坂井広志)
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「混乱させたことをおわびしたい。(野田佳彦)首相と私の2人で相談した結果だ。責任は私自身にとらせていただきたい…」
輿石氏は16日の代議士会で、突然の変更について陳謝した。しかし、党執行部が招いた混乱にあきれ顔を見せる出席者も多く、輿石氏が協力を求めても拍手はまばらだった。
普段は「情報管理」を理由に水面下の調整について多くを語らない輿石氏だが、代議士会では珍しく衆院予算委員会筆頭理事の岡田克也前幹事長から助言を受けたことを明かした。
◆岡田氏から助言
「このままだと大変なことになるかもしれない。冷静な判断をしてほしい」
岡田氏は15日、輿石氏にこう伝えた。平成23年度第3次補正予算案編成をめぐる自民、公明両党との3党協議に道筋を付けた岡田氏としては、強引に4日間で臨時国会を閉じれば、今後の与野党協調に与える影響が大きすぎるとみていた。
輿石氏から延長の打診を受けた首相はすぐに了承した。もっとも、土壇場で岡田氏の助言を得るまで執行部の感度は鈍かった。特に平野博文国対委員長は16 日閉会で公明党から了承を得ていたと思い込んでいた。平野氏と9日に会談した公明党の漆原良夫国対委員長が「閉会中審査なら26~30日に、衆参2日ずつ の予算委員会を開いたらどうか」と持ちかけていたためだ。
その場で平野氏は即答しなかったがこれがつまずきの始まりとなった。10日夜、鉢呂吉雄前経済産業相が辞任したのを機に民主党に協力する構えだった公明党は態度を硬化させる。
民主党は野党側の空気の変化をつかめず、延長しない方針を変えなかった。しかも閉会中審査の具体的な日程を自民、公明両党に伝えたのは14日と遅く、公明党は自民党などとの共闘に転じていた。
「なんで、こんなにドタバタしたんですか?」
16日の衆院本会議前の議院運営委員会理事会で、自民党の菅義偉筆頭理事は、民主党の松野頼久筆頭理事にこう尋ねた。
「申し訳ありません」
松野氏は頭を下げるしかなかった。「秘密主義」の輿石氏の手法の下、松野氏らはこの日朝まで蚊帳の外に置かれた。しかも松野氏は松本氏、加藤公一国対委員長代理と閉会の手続きのため、野党の反対を押し切る形で16日に各委員会を開くよう筆頭理事に指示していた。
◆「混乱のけじめ」
3人は16日午後、「混乱させたけじめをつけたい」と平野氏に辞表を出した。挙党態勢を強調する首相だが、輿石氏の情報統制に依存するあまり政権発足早々から党内に禍根を残した。
民主党が「会期延長やむなし」との判断に至ったのは、首相がこだわる3党協議を進めるためだったが、野党側の不信感で暗雲が立ちこめている。
「会期末ギリギリでようやく延長をのんだ。協議をしてくれというのはあまりにも虫が良すぎる!」
公明党の山口那津男代表は記者団にこう吐き捨てた。
 
杜父魚文庫

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