8409 オバマ大統領の再選、危うし 古森義久

日本でもオバマ大統領の登場を救世主の到来のように、あがめ、ほめまくった「識者」たちがいました。しかしいまのオバマ大統領の人気低落ぶりをみてください。
【ワシントン=古森義久】米国のオバマ大統領の「再選の難しさ」が民主、共和両党で広範に語られるようになった。同大統領の支持率の顕著な低下に加え、 議会の補選での民主党の連敗が「オバマ大統領はこのままでは再選を果たせない」という予測となり、政権内外でも同大統領就任以来の最大の危機感を生みだし たようだ。
 
◆党幹部発言で噴出
オバマ大統領の再選はこのままでは難しいという予測は9月中旬に入って、一気に噴き出す形となった。その明白な実例は11日にシカゴで開かれた民主党全 国委員会での同党幹部たちの一連の発言だった。オレゴン州選出のピーター・デファジオ下院議員は「私の州では、前回の大統領選でオバマ氏が11ポイントも の大差で勝ったが、いまは同氏への熱い支持は蒸発し、多数の民主党員が次回はオバマ氏には投票したくないと公言するようになった」と述べた。他の民主党幹 部もオバマ氏の支持のここ数カ月間の急落を報告した。
17日に公表されたニューヨーク・タイムズ紙とCBSテレビの共同世論調査でも、オバマ大統領の不支持率が就任以来、同調査では初めて50%を超え、とくに大統領選で決定的に重要となる無党派層の不支持が59%にも達した。
ニューヨーク・タイムズはこうした動きをとらえ、「民主党員たちはオバマ再選を声高に心配する」という見出しの長文の記事で、全米各地の民主党幹部がオバマ氏への支持の大幅な減少を訴えており、現状のままだと同氏の再選が難しいという予測を打ち出した。
ウォールストリート・ジャーナル紙も「もしオバマ氏が1期だけの大統領となれば」という題の論文を掲載した。筆者の歴史政治学者ジュリアン・ゼリザー・ 米プリンストン大学教授はオバマ氏が再選されない可能性を前提に「1期だけの大統領」のオバマ氏の功罪を論じ、オバマ氏自身が「私は凡庸な再選大統領より はすぐれた1期大統領となりたい」と述べた言葉を引用した。
◆挽回容易ではない
こうした「オバマ再選困難論」は13日の下院補選でニューヨーク州とネバダ州でいずれも共和党候補が勝ち、とくにニューヨーク州第9区では民主党が90年間も独占してきた議席を失ったことで、さらに勢いを増した。
民主党側でもこの現状を同党への重大な危機ととらえ、「この2年8カ月の政策とその手法が国民多数派から支持されなかったのだから大統領は側近や閣僚を解任し、政策も大幅修正すべきだ」(クリントン政権高官だったジェームズ・カービル氏)という過激な主張も出始めた。
共和党側では一般にオバマ大統領の失政の結果だとされる9・1%という高失業率も、同大統領の医療保険改革など「大きな政府」策の帰結だとして、オバマ氏のリベラル政策自体が破綻したための支持率低下の主因だと主張している。
もちろん大統領選の投票まで1年2カ月もあるが、現職大統領にとって歴史的にみても、この時点からの支持率の大幅挽回も容易ではないという
杜父魚文庫

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