十九日の日韓首脳会談を前にして野田首相は韓国の中央日報のインタビューに応じ「(竹島の領有権問題について)日本の姿勢は不変だが、お互いにとって大局的な見地から冷静な議論をしながら解決すべきだ」と述べた。
また日韓関係について「日米関係を基軸に据え、日韓関係を大切にしながら対応する」と明らかにした。さらに拉致被害者家族に「拉致が解決するならいつでも(北朝鮮に)行く」と述べていたことに対しては「環境整備が必要だ。むやみやたらと訪朝しても仕方がない」と軌道修正した。
<野田佳彦首相は19日の日韓首脳会談を前に、韓国の中央日報のインタビューに応じ、韓国が実効支配している竹島(韓国名・独島)の領有権問題について「わが国の姿勢は不変だ。このことをこの場で繰り返して申し上げるつもりはないが、お互いにとって大局的な見地から冷静な議論をしながら解決すべきだ」と述べ、冷静な対応を求めた。「竹島は固有の領土」との日本政府の立場には言及しなかった。
首相は、日韓関係について「韓国とは基本的な価値観、利害を共有している。いかなる国際環境の変化があっても、日米関係を基軸に据え、日韓関係を大切にしながら対応するのがわが国の基本的な構えだ」と強調。李明博大統領については「世界中のグローバルな問題を、ビジネスマンとしての経験を踏まえて判断できる」と評価し、「未来志向の100年をにらんで、経済的にどういうことができるか議論できればありがたい」と語った。
一方、北朝鮮による拉致被害者家族と8日に面会した際、「解決するならいつでも(北朝鮮に)行く」と伝えたことに関し、首相は「環境整備が必要だ。むやみやたらと訪朝しても仕方がない」と軌道修正した。「まずは交渉のテーブルに北朝鮮が着くように、あらゆる方策を検討するしかない」と、日朝交渉の早期再開を目指す考えを示した。インタビューは17日に首相官邸で行われた。(時事)
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8532 竹島で日韓双方が冷静な議論 野田首相 古沢襄

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