中国の李克強副首相は、日本で一番注目を浴びている要人であろう。1955年生まれの56歳。かつて世田谷区の小沢一郎邸宅に居候していたことがあって、小沢氏の中国人脈として最も太いパイプといわれていた。
習近平とともに、中国共産党第五世代の指導者の一人と目されているが、来年には温家宝首相に代わって李克強首相が確実と目されている。その李克強副首相は26日、韓国を訪問し、ソウル市内で李明博大統領と会談した。23日から25日まで北朝鮮を訪問し、金正日総書記と会談した後の李克強・李明博会談。
いわば李克強外交の本格的なデビューといえるが、親日派の李克強の動きには日本でも注目してかからねばなるまい。韓国の大統領府によると、李副首相は、金総書記と「深い対話」を行ったと説明し「朝鮮半島の非核化を実現し、平和と安定を守ることが重要だ」として、北朝鮮側に前向きな対応を促したことを明らかにした。
もっともこれだけでは金正日・李克強会談が実りのあるものだったか分からない。期待されていた金総書記から李大統領へのメッセージを託されたわけではない。儀礼的な会談だったとみたほうがいい。
<【ソウル=門間順平】中国の李克強・筆頭副首相が26日、韓国を訪問し、李明博(イミョンバク)大統領と会談した。
韓国大統領府によると、李氏は北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記との24日の会談にふれ、「金総書記に朝鮮半島の非核化の実現と平和・安定を守ることが重要だと何度も強調した」と李大統領に伝えた。
李大統領は「朝鮮半島の非核化と北朝鮮の改革・開放に中国が引き続き重要な役割を果たしてくれることを望む」と応じた。(読売)>
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