日本人拉致被害者の生死について、根拠のない発言をしたとされた田原総一朗氏は今回の裁判での敗北にもかかわらず、控訴をする方針だそうです。そのへんの実態に光をあてた記事を紹介します。
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<<拉致めぐる発言 田原氏に100万円賠償命令>>
拉致被害者、有本恵子さん=拉致当時(23)=と横田めぐみさん=同(13)=の安否について、ジャーナリストの田原総一朗氏(77)がテレビ番組で「外務省も生きていないことは分かっている」と発言したことをめぐり、有本さんの両親が田原氏に計1千万円の慰謝料を求めた訴訟の判決が4日、神戸地裁であった。長井浩一裁判長は「発言には合理的根拠がない」として、田原氏に対して、両親に計100万円を支払うよう命じた。田原氏側は控訴する方針。
田原氏は平成21年4月の「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)で発言。同年7月に両親が提訴した。有本さん側は「根拠はなく、心情を傷つけられた」と主張。田原氏側は「論評の自由として憲法21条に保護される」と棄却を求めた。
田原氏側は公判で「外務省が本音部分でどう考えているのか、自らの見解を述べたものだ」と主張したが、地裁は「発言は具体的、断定的で、外務省が生きていないと認識しているとの印象を一般の視聴者に与える」と退けた。
長井裁判長は判決理由で、複数の外務省幹部への取材について、「外務省が死亡を認識していることを直接示すような(幹部の)発言はなく、田原氏は具体的に質問して確認していない」と指摘。「発言は真実ではなく、真実と信じる相当の理由もない」と結論づけた。「誤りは重大で原告はわが子の生存を願う感情を害された」とも述べた。(産経)
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■田原総一朗氏発言要旨
田原総一朗氏がテレビ番組で発言したとされる内容の要旨は次の通り。
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なんで(北朝鮮と交渉)できなかったかははっきりしている。つまり、まともに交渉するということは、日本は、(同席している)山本さん(山本一太参院議員)なんかは典型だけど、横田めぐみさんと有本恵子さんは生きている前提でやってるわけだ。
ところが北朝鮮は繰り返し、「生きてない」と言っているわけ。外務省も生きていないことは分かっているわけ。そこを生きていないという交渉をやると、山本さんたちにこてんぱんにやられる。
田中均(外務審議官、当時)が爆発物を投げ込まれたじゃない。僕は福田さん(福田康夫官房長官、同)にも言ったんです。「あなた命がけでやれ」と。やんなかった。(有本さん側の訴状より)
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■娘さんへの思い傷つけ申し訳ない
田原総一朗氏の話「民主主義社会においてはジャーナリストや報道機関が、外交や政治などの問題について、自由に意見を言えることが不可欠。この点を十分理解していない本判決には納得できないため控訴するつもりだ。私の発言が、有本さんご夫妻の娘さんに対する思いを傷つけたことについては申し訳なく思っている」
杜父魚文庫
8635 田原総一朗氏の言い分 古森義久

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