8646 日韓もし戦わばの記事で読者が急増  古沢襄

10日の杜父魚ブログ・アクセスは急上昇。その原因は昨年8月13日の「”独島:韓日もし戦わば”の韓国紙分析特集」だった。ひとつの記事が一年以上もたって2000人以上の読者が一斉に読んだのは不思議な現象である。
日韓が戦争をする状況にはない。おそらく今後もないであろう。それなのに「韓日もし戦わばの分析特集」が一斉に読まれたのは何故だろう。10日は海外邦人のアクセスが急増した。ソウルのアクセス増が原因だと思って調べたが、以下のごとくSouth Korea(韓国)は八位に過ぎない。
①United States(米国)②China(中国)③Germany(ドイツ)④Indonesia(インドネシア)⑤Singapore(シンガポール)⑥Australia(豪州)⑦Thailand(タイ)⑧South Korea(韓国)⑨Canada(カナダ)⑩Malaysia(マレーシア)⑪Taiwan(タイワン)⑫Philippines(フィリピン)⑬United Kingdom(英国)⑭Italy(イタリア)⑮Chile(チリ)⑯Switzerland(スイス)⑰Vietnam(ベトナム)⑱Hong Kong(香港)⑲France(フランス)⑳Spain(スペイン)21.Colombia(コロンビア)22.Paraguay(パラグアイ)23.Netherlands(オランダ)24.Russia(ロシア)25.India(インド)26.New Zealand(ニュージランド)27.United Arab Emirates(アラブ首長国連邦)
杜父魚ブログの読者が急増したのは嬉しいが、その原因が分からないのは、何となく割り切れない思いがする。それも「韓日もし戦わば」が原因だから、よけいその思いが強い。
<<「独島:韓日もし戦わば」の分析特集 古沢襄 2010.08.13 Friday name : kajikablog>>
韓国の対日感情は盧武鉉時代よりも好転してきているが、それでも良くない。日本統治時代の怨念が短期間に消えるものではない。「独島:韓日もし戦わば」という物騒な特集が、韓国の朝鮮日報に掲載されたこともある。
だが、この特集記事を今、読み返してみると極めて客観的な分析に終始している。偏狭なナショナリズムに駆られた単純な愛国論評ではない。
島根県議会が「竹島の日」条例を通過させた2005年3月、韓国海洋戦略研究所が主催するセミナーで、韓国の「大洋海軍の父」と呼ばれる安炳泰(アン・ビョンテ)元海軍参謀総長の講演を基調にしていた。そこには私たち日本人が気がつかない日韓の軍事力比較を客観的に分析していた。
それから5年後、韓国海軍の戦力は急速に向上した。初の韓国製イージス艦「世宗大王艦」が進水し、アジアでは最大の揚陸艦である独島艦、5000トン級の韓国型駆逐艦KDX‐Ⅱ、1800トン級214潜水艦も保有するようになっている。
しかし日本の海上自衛隊の戦力もさらに強化された。これまでのイージス艦よりも戦力アップした最新鋭イージス艦2隻を加え、イージス艦だけで6隻を保有している。
戦後初のヘリ用空母と呼ばれる1万3500トン級の日向や水中作戦能力が大幅に向上した最新鋭の3000トン級潜水艦も現場に投入された。その結果、艦艇の総トン数は韓国が13万700トン、日本は42万8000トンと大きく水を開けられていると韓国は分析する。
水上艦艇で主役となるイージス艦の場合、最大で1054キロ先から飛来するミサイルや航空機を発見でき、500キロ先の航空機、艦艇、ミサイルなど900の標的を同時に発見、追跡できる。
とりわけあたご型イージス艦は日本海を管轄し、有事の際には独島へ最初に出動できる第3護衛隊群に配備された。第3護衛隊群は京都の舞鶴を拠点としている。
日本の海上自衛隊は地方隊に属していた護衛隊をすべて護衛艦隊へと編入し、四つの護衛隊群と14の護衛隊に再編された。それぞれの護衛隊群は4隻ずつの護衛艦からなる二つの護衛隊で構成され、計8隻の護衛艦を保有している。
さらに排水量1000トン級以上の戦闘艦も韓国海軍は40隻だが、日本は3000トン級以上だけでも40隻以上を保有している。両国海軍が敵艦を攻撃する際に使用される対艦ミサイルは、そのほとんどが米国製のハープーンだが、日本の保有数の方がはるかに多い。
対艦ミサイルの攻撃を防御する対空ミサイルや、機関砲で対艦ミサイルを撃墜する近接防空システムなども日本が上回っている。その上、日本の艦艇は1984年以降に投入された艦艇の比率が65%以上を占め、新型艦艇の比率も高い。
海の戦略兵器とされる潜水艦と相手潜水艦を捕える対潜水艦戦力を比較すると、その差はさらに大きくなる。韓国海軍は現在1200トン級209型潜水艦9隻と、1800トン級214型潜水艦1隻を保有している。一方、日本はこれよりもさらに大型の2200から3000トン級潜水艦を16隻保有している。潜水艦を探し出すP3C海上哨戒機も日本は90機以上保有しているのに対し、韓国には8機しかない。ヘリコプターも韓国は40機だが、日本はSH60Jが89機、SH60Kが8機の計90機以上に達する。
韓国は独島(竹島)をめぐる韓日間の紛争が起こった場合、軍が衝突する前に交戦するのは韓国の海上警察と日本の海上保安庁だとみている。韓国側には3000トン以上の大型警備艇が多い。3000トンから6500トン級の警備艇は韓国側が15隻、日本が13隻だ。しかし、900から1000トン級の警備艇は韓国側が7隻に対し、日本は38隻だ。
航空機においては韓日間の格差はさらに開く。固定翼機の場合、日本は27機で韓国はわずか1機。回転翼機(ヘリなど)は韓国が14機で日本は46機だ。
おまけに韓国空軍は500機の戦闘機を、日本の航空自衛隊は360機を保有していて、韓国空軍が数の上で上回るが、日本の方が高性能の戦闘機がはるかに多い上に、空軍基地からの距離が短く、さらに空中給油能力まで兼ね備えている点で劣勢だと分析している。
独島は江原道江陵基地から266キロ、F15Kが配備された大邱基地から330キロ、慶尚北道浦項から258キロ、非常滑走路のある慶尚北道蔚珍からは216キロの位置にある。
一方の日本は独島から157キロ離れた隠岐からF15J戦闘機を出動させることができる。韓国の戦闘機のうち独島上空で1時間以上作戦を実行できるのはF15Kだけだ。170機を保有しているKF16は5分しか独島上空にとどまることができない。
日本はF15Kよりもやや性能が劣るF15Jを203機、F16を改造したF2支援戦闘機70機以上を保有している。また日本はE767を4機、E2Cを13機の計17機の早期警戒管制機や哨戒機を保有している。これらは350キロ以上離れた韓国の航空機の動きを手に取るように把握できると韓国はみている。
日本は竹島問題で軍事力を行使する意図は未来永劫に持たないが、韓国側も図上のシミュレーションをして「韓日もし戦わば」が現実にはあり得ないと見ていると言っていい。軍人は好戦的とみられがちだが、合理的な思考をするものである。
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