8696 米国青年が中国で北朝鮮に拉致?  宮崎正弘

人民元の高値期待、市場から急速に色あせて、外国ファンドは引き上げ。香港財閥一位の李嘉誠も中国銀行の持ち株減らし、大株主リストから消える。
十月速報で外国ファンドが中国からの引き上げを本格化させていることが分かった(ウォールストリートジャーナル、22日付)。
とくに香港財閥一位の李嘉誠の国際ファンドが「中国銀行」の持ち株(香港上場のH株)を大幅に減らしていたことも判明した。第三四半期に同銀株価は35%下落した。
 
第二四半期までに李嘉誠ファンドのうちのカナダ籍「李嘉誠カナダ財団」は中国銀行株を9億9000万株保有しており四番目の大株主だった。
また「李嘉誠海外ファンド」は1億5300万株を保有し、第九位の大株主として報告書に記載されていたが(いずれもH株)、第三四半期の報告書ではともに十傑に入っていなかった。
李嘉誠は2009年に「中国銀行株は向こう五年は保有することを誓約する」と発言していたので、しかも北京寄りの言動が目立っただけに、これは中国経済の先行きを見限った行為だろうと市場関係者は分析している。
     
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◆BOOKREVIEW ◆書評 ◇しょひょう ◇ブックレビュー ★
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北朝鮮は過去に18万人を拉致し世界中から非難されてきたが、米国が本気になった。アメリカ人青年が雲南省から失踪、北朝鮮に拉致されていた事実が判明!
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チャック・ダウンズ編、植田剛彦監修、鈴木伸幸訳、ケント・ギルバート協力『ワシントン北朝鮮人権委員会 拉致報告書』(自由社)
本書の監修者でもある植田剛彦は、協力者のケント・ギルバートとともに、この八月にソートレークシティへ向かった。ユタ州の州都でもあるソートレークシティは、モルモン教の総本山があることでも知られる。
目的は何だったか?米国人の青年ディビッド・スネドンが中国雲南省で失踪したのは2004年8月14日のことだった。
そして米国の北朝鮮人権委員会の調査で、この青年が北朝鮮に拉致されたことがほぼ確定された。そのことは2011年5月11日、ワシントンで本書の原本報告書の発表会で公表された。本書は米国で俄然、衆目をあつめたのである。
ブリガム・ヤング大学に籍を置いていたディビッド・スネドン(当時24歳)は中国語と韓国語に通じた留学生で、北京の国際関係学院で中国語の習得コースを終え、雲南省のシャングリア市を訪れて韓国料理のレストランで三回食事をとったことまで確認された。
その後、忽然と姿が消えた。中国の警察は付近の渓谷を散策中に転落したと適当に処理した。このルートは当時、脱北者がアジアへの脱出ルートに使用していたため、北朝鮮は工作員を現地に派遣していた時期と重なるのである。
北朝鮮と中国公安は、ディビッド・スネドンを脱北支援組織メンバーと疑っていた形跡があり、彼の失踪はこのことに密接な関連があるという。現場を訪れた両親は当局の説明に得心できなかった。 ついにアメリカ人も拉致されていた事実が露呈された。
本書はこれまで日本で出版された多くの拉致問題を、まったく別のアングル、世界のパースペクティブのなかで捉え直している特徴がある。
編者のチャック・ダウンズは言う。「この報告書は、犯罪的な専制国家によって実行された、拉致工作について、その計画と実行方法を明らかにすることによって、拉致問題の国際的な理解が深まり、北朝鮮の犯罪行為を阻止し、これまでの被害者についても公表することを期待している」
さて冒頭の植田剛彦&ケント・ギルバートの両氏は、ソートレークシティで拉致されたディビッド・スネドンの両親に面会した。
長時間にわたる独占的インタビューを取った。原本にはないが、この証言が日本語版の本書に挿入されることとなった。
日本ではいささか風化した趣きなきにしもあらずの拉致問題。ところが米国で、本気になって怒りが爆発した。オバマ政権が本気になったということは、米国人青年が巻き添えにされていた事実が判明したからである。
  http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AF%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3%E5%8C%97%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E4%BA%BA%E6%A8%A9%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E6%8B%89%E8%87%B4%E5%A0%B1%E5%91%8A%E6%9B%B8-%E6%A4%8D%E7%94%B0-%E5%89%9B%E5%BD%A6/dp/4915237664/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1321930900&sr=1-2
杜父魚文庫

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