8721 橋下勝利で日本は変わる? 古森義久

さあ、なにかとってつもなく新しい現象が起きたのでしょうか。それとも大阪という特殊な地域での特殊な現象なのでしょうか。
大阪市長選、大阪府知事選での「大阪維新の会」の候補たちの圧勝は、どう解釈すべきなのか。民主党も自民党も形無しです。
<<■大阪ダブル選 市長に橋下氏、知事は松井氏 維新圧勝、かすむ既成政党>>
■市長選投票率60・92%
大阪府知事と大阪市長のダブル選は27日、投開票が行われた。市長選は、前知事で地域政党「大阪維新の会」代表の橋下徹氏(42)が、民主、自民両党府 連の支援を受けた現職の平松邦夫氏(63)を破って初当選した。知事選でも維新の会幹事長の前府議、松井一郎氏(47)が、両党府連の支援を受けた前池田 市長、倉田薫氏(63)ら6人を破り初当選した。
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橋下氏が知事を任期途中で辞職したことにより実現した40年ぶりの大阪ダブル選は、「維新VS反維新」の構図で激戦が展開され、府と大阪市の再編を伴う「大阪都構想」を掲げた「橋下維新」の圧勝となった。
就任後初の大型地方選に敗れた野田佳彦首相にとって大きな打撃となった。民主、自民両党が共闘しながら敗北したことは国民に既成政党への不信感が高まっていることの証左だといえる。次期衆院選に向け、政界再編の流れが加速する可能性もある。
市長選の投票率は60・92%で前回を17・31ポイント上回った。知事選は52・88%で前回を3・93ポイント上回った。
今回のダブル選は、維新が掲げた都構想や、教育への政治関与を明記した教育基本条例案の是非といった政策面のほか、橋下氏のようなトップダウン型か、協調路線かという首長の政治手法の在り方も対立軸となった。
維新側は橋下、松井両氏、反維新側は平松氏と、府内の首長有志の支援も受けた倉田氏が、それぞれタッグを組んだ。維新側は「大阪を変えるか変えないかの戦いだ」と訴え、橋下氏の知名度を背景に4月の統一地方選で大量増員した100人超の地方議員がフル稼働した。平松氏は1期4年の実績をアピールし、橋下氏の政治手法を「独裁を許すな」と批判したが、支持は広がらなかった。
共産は、市長選で推薦候補を擁立せず、「反維新勢力の結集」を掲げて平松氏を自主支援した。支持母体の創価学会を中心に固定票を持つ公明は、次期衆院選をにらんで維新との全面対決を避けるため、両選挙とも自主投票とした。
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◇大阪市長選 開票終了
当 750813 橋下  徹 維新
  522641 平松 邦夫 無現
橋下  徹(はしもと・とおる) 42 前大阪府知事・地域政党代表(関西広域連合国出先機関対策委員長)早大
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◇大阪府知事選 開票終了
当2006195 松井 一郎 維新
 1201034 倉田  薫 諸新
  357159 梅田 章二 無新 【共】
   29487 岸田  修 無新
   27809 高橋 正明 無新
   22347 中村  勝 諸新
   21479 マック赤坂 諸新
松井 一郎(まつい・いちろう) 47 党幹事長・前府議・会社役員(府議秘書・会社員)福岡工大
<<■【大阪ダブル選】民主消沈、自民「連携も」 橋下旋風、各党戦々恐々>>
大阪府知事、大阪市長のダブル選挙は27日、橋下徹前府知事率いる「大阪維新の会」と対決した「既成政党」にとって、極めて厳しい結果に終わった。民主党は受けたダメージに意気消沈し、自民党からは早くも維新の会との連携を模索する発言が出始めた。
野田佳彦政権初の大型地方選挙にもかかわらず、民主党本部は閑散としていた。唯一、記者団の前に姿を見せた高木義明選対委員長は「今回は政党が前面に立たない選挙で、党派を超えた審判があった」と民主党や野田政権への影響はないと強調すると、足早に党本部を去った。
大阪府連代表の平野博文国対委員長は大阪に滞在していたが、市長選に出馬した平松邦夫氏の事務所には現れなかった。同党国会議員で唯一駆けつけた吉田治衆院議員も報道陣の取材には応じず、「僕はもう行かなあかんから」と後にした。
自民党本部にも国会議員が来ることはなかった。石原伸晃幹事長は共同通信の取材に「大阪府民、市民が大阪の将来を考えて決めたことだ」と一地方の結果であることを強調。一方で「要請があれば協力することも検討したい」とコメントした。
地元の奈良県橿原市で記者会見した田野瀬良太郎幹事長代行は「民意を重く受け止めないといけない」とした上で「維新の会から連携の要請があれば、しっかりと検討する」と答えた。
知事選、市長選ともに自主投票とした公明党の山口那津男代表は党本部で記者団に、今後の対応について「当選者の対応を見守らないと分からない。よく見極めたい」と明言を避けた。
市長選では平松氏の支援に回った共産党の市田忠義書記局長は党本部で記者団に対し「独裁的な方向が全国的な規模で支持されることはない」と答えた。
一方、維新の会の会見場に駆けつけたみんなの党の渡辺喜美代表は、記者団に「みんなの党は関東の地域政党、維新の会は大阪の地域政党だ。本当に自分たちの選挙と同じ感覚でやってきた」と連携ぶりをアピール。
国民新党も「亀井静香代表は『大阪都構想』について評価している。構想の実現に向けて役割を果たしていきたい」(下地幹郎幹事長)と、新党結成への意気込みを示した。
「応援団長」の石原慎太郎東京都知事が橋下氏を応援したたちあがれ日本は、園田博之幹事長が「橋下氏と維新の会がどう府民の生活向上を実現していくのかを見守っていきたい」とする談話を発表した。
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【用語解説】大阪維新の会(維新)=橋下徹前大阪府知事が代表を務める地域政党。平成22年4月、大阪府議22人による「大阪維新の会府議団」としてスタートした。政策の柱である「大阪 都」構想は、大阪府と大阪、堺の両政令市を解体し、インフラ整備など広域行政を担う「大阪都」と、住民に身近な行政サービスを担う複数の「特別自治区」に 再編するというもの。
府と市の「二重行政」を解消するのが狙いで、27年4月の導入を公約に掲げている。今春の統一地方選では、府議選で過半数を超える 57議席(定数109)を獲得。大阪市議選でも33議席(同86)を占め、第一党となった。自治体の首長が代表を務める地域政党は、他に大村秀章愛知県知 事の「日本一愛知の会」などがある。
杜父魚文庫

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