8740 ほっと一息、欧米も中国も株高、日本もちょっとだけ安心感 宮崎正弘

中国の不動産開発企業は13-16%も株価が回復。しかし、「何時まで?」。六カ国中央銀行によるドル資金供給協調声明(11月30日)は世界の株式市場で好感され、英米独仏など主要先進国で株価が3-6%上昇した。日本は一番低く、それでも2%前後の株価回復があった。
六カ国声明の数時間前に中国は「預金準備率」を引き下げ、0・5%の引き下げによる通貨供給(信用供与拡大)は邦貨換算5兆円強と見積もられたため、香港市場では不動産開発企業の株価が急激に回復した。
大手グリーハウスなど有力デベロッパーは軒並み13-16%の回復ぶりだったが、さて「効果は何時まで持つか?」
EU諸国はユーロの難題を二国間協議で解決できないうえ、共同債発行にドイツが難色を示しているため、これといった抜本策がない。中国は追加支援に消極的になり、結局、日本の財布がまたアテにされている。
他方、中国のPMI(購買担当者指数)は二年九ヶ月ぶりに50%を割り込み、華南の製造業が依然として経営危機に喘いでいる実態が浮かんでいる。靴、アパレル、機械部品、雑貨、半導体など操業停止、廃業、倒産のラッシュ。工業団地はシャッター通りか、ゴーストタウン化しており、たまに営業中の工場ではストライキ。
 
くだんの預金準備率引き下げは、これら民間企業には配分されず、第一に国有企業の財務改善と不動産価格の大暴落を回避させ、向こう半年で10%程度の小暴落がターゲットではないかとささやかれている。
杜父魚文庫

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