一川保夫防衛相は辞任する考えがないことを記者会見で強調した。しかし、これでは沖縄県民も納まらないだろうし、自民、公明両党が提出する問責決議案も可決されるだろう。無理筋で頑張れば、それだけ懸案の解決が遠のく。
<一川保夫防衛相は6日午前の記者会見で、自らの進退について「与えられた職責をしっかりと務めていきたいとの思いでいっぱいだ」と述べ、辞任する考えのないことを強調した。自民、公明両党が自身への問責決議案を提出する方針であることに対しても「防衛相としての本来の責任を問われるような致命的なものはないと思っている」と反論した。
防衛相は、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題に絡む前沖縄防衛局長の不適切発言を踏まえ「当然しっかりした信頼回復への対応をしていく。今回のことを教訓に沖縄県の懸案事項、負担軽減に最大限頑張りたい」と強調。
1995年の米兵による少女暴行事件の詳細を知らないとした自身の国会答弁に関し、「詳細をそこで述べるのはよろしくないと判断して、あのような表現になった」と改めて釈明した。「(野田佳彦首相から)激励を頂いている」とも語った。(時事)>
国会の与野党対決を数多く見てきたが、いつも同じパターン。
政府は20日ごろをメドに普天間飛行場の移設先となる名護市辺野古に関する環境影響評価書を沖縄県に提出する方針を固めている。そこで置き土産として一川氏のクビを差し出し、(1)前沖縄防衛局長の不適切発言のみそぎ(2)評価書への県側の態度軟化(3)首相の任命責任逃れ-の一石三鳥を狙うという算段だと囁かれている。
一川氏のクビを高く売りつけるこの読み筋は甘くはないか。時が経過すれば、それだけ沖縄県民の反対行動が厳しくなる。米軍普天間飛行場移設問題の解決がそれだけ遠のく。野田首相は一川防衛相という厄介なお荷物を早く下ろして沖縄県民の説得に当たる方がいい。
杜父魚文庫
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