8760 人民元、不気味な下降局面へ突入 宮崎正弘

インドに続き、中国を襲う通貨安、つぎはブラジルへ。欧州勢が一斉に資金の引き上げに動き出した。ギリシアに端を発したユーロ危機は、1兆ユーロの基金調達が難しい展望となって、デフォルト懸念がイタリアに飛び火し、慌てたサルコジとメルケルは首脳会談をひらき、新条約制定で合意したが、ほかのユーロ加盟諸国が同意するか、どうかは不明瞭。
欧州の銀行は倒産の危機に直面している。欧州十五カ国の国債は格付けを下げられた。恐慌の一歩手前である。投資家は一斉に手元資金確保のため、出資金の回収、株、債券市場からの資金引き上げを開始したため、インド、中国、ブラジルなどで株安、通貨安となった。
とくに人民元は五日連続の下落に見舞われている。このまま新興国通貨が下落をつづけ、ドルもユーロも下落を続ける中、日本の円だけが独歩高というのは、じつは異常事態をこえて危険水域にある。
中国が、この深刻な経済危機を切り抜ける態勢にはいったが、したがって、このタイミングに、無能の代名詞のような日本の首相なんぞが北京に来ても時間も無駄。延期を要請したのも当然であろう。
年内に欧州の銀行危機は泥沼化し、旧正月直後(二月早々)に中国に未曾有の経済危機が襲うだろう。
杜父魚文庫

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