韓国の朝鮮日報によると李明博(イミョンバク)大統領の政治面での後見人やブレーンは全て退くという政治ドラマがソウルで繰り広げられている。李大統領中心の政治構造が事実上終息したと噂されている。
ことの起こりは李大統領の実兄で与党ハンナラ党の李相得(イサンドク)議員の秘書が特定経済犯罪加重処罰法違反の疑いでソウル中央地検に逮捕された。実兄の不祥事で大統領の求心力低下に拍車を掛けた。
この結果、朴槿恵(パク・クンヘ)元ハンナラ党代表の発言力が強化されたという見方が出ている。
<過去4年にわたり大韓民国を実質的に動かしてきた李明博(イ・ミョンバク)大統領中心の政治構造が、今月11日で事実上、幕を下ろした。
李大統領はこの日、当選3回の任太煕(イム・テヒ)大統領室長の後任に、SBS常任顧問の河今烈(ハ・グムリョル)氏を就任させることを内定した。また「MBノミックス(李大統領の経済哲学。MB=李大統領)」と呼ばれる李大統領による政権運営の実質的調整者とされてきた白容鎬(ペク・ヨンホ)政策室長も辞任することになったが、後任は指名していない。
同時に金徳竜(キム・ドクリョン)国民統合特別補佐官と李東官(イ・ドングァン)メディア担当特別補佐官、パク・ヒョンジュン社会政策担当特別補佐官、柳仁村(ユ・インチョン)文化担当特別補佐官らも解任した。政治的な性格の強い室長や特別補佐官を全て解任したのだ。
朴槿恵(パク・クンヘ)元ハンナラ党代表に近い「親朴」と呼ばれるグループの具相燦(ク・サンチャン)議員は一連の人事について「政治色を消し去り、政府としての仕事だけに力を入れるとの意向を示す前向きな人事だ」とコメントした。
さらに現政権の期間中、常に「兄貴勢力」などと批判されてきた李相得(イ・サンドゥク)ハンナラ党議員も同日「党が生まれ変わろうとする動きに加わりたい」として、次の国会議員選挙への不出馬を宣言し、政界からの事実上の引退に踏み切った。
李議員は党内で当選回数が最も多く、最高齢でもあるが、一方で当選1回の洪政旭(ホン・ジョンウク)議員も同日に不出馬を宣言した。これらの動きに対し、ハンナラ党内では「本格的な刷新の幕開け」といった見方も出ている。
李相得議員は前回の大統領選で、李明博氏の事実上の後見人だった。偶然かどうかは不明だが、李議員の不出馬発表は、大統領府が政治色から脱却する人事を断行してから1時間30分後に発表された。これらにはいずれも「MB政治の終息」という共通点がみられる。
また李大統領を支えてきた李在五(イ・ジェオ)議員もこの日、側近を通じて「朴槿恵元代表中心のハンナラ党体制には、いかなる形であれ干渉しない」との意向を明らかにした。この結果、与党はこれまで4年間続いた「李明博政治」を事実上終わらせ、来年の大統領選挙を見据えた新たな体制へと本格的に立て直すことになった。(朝鮮日報)>
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