8896 荒れる韓国の教育現場 平井修一

我が国では1990年代に「学級崩壊」が大きな話題を呼んだが、今でも問題学級は少なくないだろう。
東京都教育委員会によると、2010年3月までの1年間に、都内の公立学校で心の病が原因で休職した教員は532人で、5年間で2倍近くに増え、教員全体に占める比率は0.92%と、全国の都道府県で3番目に高くなったとい
う。
韓国では教員が続々退職している。「もうやっていられない」と教職に見切りをつける先生が急増したようだ。東亜日報(1月4日)がこう報じている。
<ソウル市教育庁によると、今年2月末に名誉退職(平井注:懲戒などではない自己都合退職か)を申請した教員は計920人。昨年2月末の申請者(732人)より25.6%(188人)増加した。
京畿道でも2月の名誉退職申請者は計563人と、昨年同期(389人)より44.7%(174人)増加した。特に中等教員の名誉退職申請者は165人から315人へと90.9%も増加した。
教育界では最近、児童・生徒への生活指導が難しく、名誉退職を決心した教員が増えたものと見ている。韓国教員団体総連合会(韓国教総)が昨年12月、全国の小中高校の教員201人を対象にアンケート調査を行った結果、最近の名誉退職申請者増加の最大原因として、「生徒人権条例、教育課程の改正など、教育環境の変化による困難」(93.53%)をあげた。
ソウルA小学校の教師は、「教育環境がかつてと変わったとはいえ、本当に子供らを指導するのが難しい。ストレスを受けるより、早めにやめた方がいいという気がする」と話した。
京畿B中学校の校長は、「問題を起こして、たしなめようとすると、『人権侵害に当たるのでは』『体罰じゃないか』と反発する生徒らがいる。関わるべきことではないという気がするし、自信もなくなり、名誉退職を思い浮かべることになる」と話した。
最近の一連の学校での暴力沙汰も、同様に教員らが児童生徒への指導をきちんと行うことができなくなったためにおきているというのが、専門家らの見方だ。
集団的イジメや学校での暴力を知ることになった教員が積極的に口出しするのを嫌い、暴力沙汰が一段とひどくなったという>
イジメで自殺する生徒もおり、校内暴力も深刻だ。中央日報(1月4日)によると、小中高生の57%が暴力にあってもだれにも言わず、62%は暴力を見ても知らないふりする(青少年暴力予防財団の2010年・3560人調査)。加害生徒の63%はいじめる理由として「いたずら・理由はない」をあげた。
<韓国の学生は経済協力開発機構(OECD)加盟国で学業達成度1~4位と最上位圏だ。これに対し国際教育到達度評価学会(IEA)が2009年に行った世界の中学2年生調査では、他人と混じり合って生きる「社会的相互作用力」が36カ国中で最下位だった。勉強はうまくするが社会性は最低だ>
ガリ勉だが自己中心的で社会と調和して生きる能力に著しく欠ける“利口バカ”が多いのだろう。用心しないと日本もそうなる。
杜父魚文庫

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