マスコミにつられて、内閣改造の目的は岡田副総理の誕生だと思っていたが、じつはそれ以上に平野国対委員長を交代させることに眼目があったようだ。読売新聞がバラしている。
平野氏は労組幹部上がりにも拘らず、人当たりが悪い。特に野党対策は下の下らしい。12月30日、野田は藤村官房長官ら側近と個別に会い、今後の政権運営について意見を求めた。
側近の一人は「年明けの通常国会は、消費税率引き上げ関連法案の成立が最重要課題で、国会対策こそ重要だ」と語り、内閣改造に伴い、平野博文国会対策委員長を交代させる必要性を指摘した。
政権発足以来、野党との関係構築は進まず、秋の臨時国会での政府提出法案の成立率は、過去20年で最低の「34%」と散々な結果だった。
国対委員長を交代させるなら、法案審議が始まる通常国会の召集後は難しい。野田は当初、「問責決議を受けた一川防衛相と山岡消費者相の更迭」のイメージを薄めるため、復興庁発足で閣僚1増が可能となる2月に人事を行う案を検討したが、平野の交代を優先し、前倒しを選んだ。
<宿願の副総理、藤村官房長官がジムで説得
今回の内閣改造の柱である岡田克也前幹事長の副総理起用は、野田首相の政権発足以来の宿願だった。
一方で、首相はこれまで二人三脚で政権運営をしてきた民主党の輿石幹事長にも最大限、配慮しながら人事を進めた。(敬称略)
「副総理を置こうと考えている。どう思う?」
今月3日、東京・永田町の首相公邸。野田首相は腹心の長浜博行官房副長官をひそかに呼び入れ、人事構想の一端を打ち明けた。野田は副総理候補として岡田克也前幹事長、鹿野農相ら3人の名を挙げ、こう付け加えた。
「まず、岡田さんと相談してから決めたい」
野田の「本命」は、昨年9月の野田内閣発足時に官房長官への就任を打診した岡田だった。野田は首相就任時も岡田を副総理で処遇しようとしたが、岡田に固辞され、断念した。
野田が内閣改造・党役員人事を決意したのは昨年末だ。
12月30日、野田は藤村官房長官ら側近と個別に会い、今後の政権運営について意見を求めた。側近の一人は「年明けの通常国会は、消費税率引き上げ関連法案の成立が最重要課題で、国会対策こそ重要だ」と語り、内閣改造に伴い、平野博文国会対策委員長を交代させる必要性を指摘した。
政権発足以来、野党との関係構築は進まず、秋の臨時国会での政府提出法案の成立率は、過去20年で最低の「34%」と散々な結果だった。
国対委員長を交代させるなら、法案審議が始まる通常国会の召集後は難しい。野田は当初、「問責決議を受けた一川防衛相と山岡消費者相の更迭」のイメージを薄めるため、復興庁発足で閣僚1増が可能となる2月に人事を行う案を検討したが、平野の交代を優先し、前倒しを選んだ。
野田は12月31日、輿石幹事長と電話し、理解を求めた。「問責を受けるたびに交代させていたらキリがない」と改造に否定的だった輿石だが、野田の意をくみ、容認した。ただ、注文を付けることも忘れなかった。
「改造するなら大義が大事だ。どうせやるなら、態勢強化ということで、大きく代えないと。2人だけの交代は絶対に許さない」
人事断行の方針を決めた野田は宿願である「岡田副総理」の実現に動き出す。社会保障・税一体改革の素案策定に取り組んだ野田は、官邸機能の強化が必要との思いを強くしていた。
一体改革を担当する古川元久国家戦略相は当選5回と党内では中堅に位置し、増税に慎重なベテラン議員らににらみが利かないという事情もあった。
1月6日、野田は岡田と首相公邸で直接会い、岡田の副総理起用を念頭に人事構想を話し合った。岡田の感触を探る狙いもあった。野田の胸中には、一体改革に意欲的な岡田の起用に成功すれば、輿石が強調した「大義」を掲げることもできるとの考えがあった。
ただ、岡田は、当選回数が野田や藤村より多い自分が「政権ナンバー2」として官邸入りすれば、政府内の指揮命令機能が混乱すると見ていた。関係が良くない小沢一郎元代表のグループから反発が予想されることも、入閣に慎重な姿勢につながっていた。
こうした岡田の意向を伝え聞いた野田は、岡田を再度説得する必要があると判断。野田の意を受けた藤村は、11日に都内のスポーツジムで岡田と会った。> 読売新聞 1月14日(土)9時57分配信
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