8928 中国は台湾を恫喝するな 古森義久

さて台湾の総統選挙での現職・国民党・馬英九氏の勝利をアメリカはどうみるか。オバマ大統領の報道官がさっそく声明を出しました。
その内容は当然ながら、最初に馬総統の再選への祝賀表明です。そして台湾が民主的な選挙ときちんと実施して、その最高リーダーを選ぶことへの改めての歓迎を述べています。このへんには中国の独裁体制への婉曲な批判がにじんでいます。
そしてさらに注視すべきは以下の一文でしょう。
「(中台)両岸での恫喝のない環境での平和、安定、改善された関係はアメリカにとっては深遠な重要性を持っています」
「恫喝」という言葉は当然ながら中国に向けられています。中国が台湾を恫喝するようなことがあってはならない、その恫喝のない状態こそアメリカにとっては超重要なのだ、と強調しているわけです。
しかし中国に対する態度となると、明らかに野党の民進党が先を行っています。その民進党の候補の蔡英文氏が僅差で敗れたことはある意味では残念です。馬総統の下での中台接近が中国による台湾の取り込みへとつながらないことを願いたいところです。
この点、アメリカが中国に対し台湾を恫喝するようなことがあってはならないと、警告した点は、注目すべきでしょう。
杜父魚文庫

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