8931 世界のジャーナリストが小さな村でおきた事件に注目  宮崎正弘

『陸豊モデル』はこれから中国の農村革命を領導するか?鳥炊村の抗議行動首謀者が村の党書記に就任し、強制収容の農地返却へ。
共産党の強圧政治のもと、考えられなかった事態が出来した。2011年11月以来、紛糾し続けてきた広東省陸豊市鳥炊(ウーカン)村では、警察が拷問により死亡させた抗議行動の指導者のひとりセキ錦波の葬儀が執り行われ、土地を農民に無断でデベロッパーに売却した同村の書記は懲戒免職となった。
この急転直下の解決の背後には王洋広東省書記の思惑が交錯しており、事態は急激に宥和路線に転じたのが、同年12月だった。
世界のジャーナリストが、この小さな村でおきた事件に注目し、大きく報道合戦を繰り広げたことは、たびたび小誌でも紹介してきた。
2012年1月16日、同村では書記に抗議行動の主導者のひとり、リン・ズルアン(音訳不明)が就任したことが明らかとなり、また強制収容した農地の四分の一にあたる1700ヘクタールが返還されると発表された(NYタイムズ、1月17日)。
 
北京で発行されている雑誌『求是』2012年第二号に温家宝首相が寄稿し、「農地改革と農家問題は法律に基づき改善されるべきであり、なんぴとも農地を法律によらずに農民から剥奪することは許されない」とした。
これは行政院から発せられた広東農民への応援歌?毛沢東革命以前、農地の革命は、この広東省陸豊からおこった。歴史はまた繰り返し、『陸豊モデル』はこれから中国の農村革命を領導することになるだろうか?
杜父魚文庫

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