8951 黒田勝弘氏の「韓国でこれは品がない!」  古沢襄

ソウルから黒田勝弘氏が日本人の韓国旅行(男女)風景を軽いタッチで報じてきている。モスクワ時代の山田みどりさんもツアーできたおばさんたちが、モスクワの劇場で情けない姿をさらして恥ずかしかったと言っていた。
私もハバロフスクのホテルで農協ツアーの男どもが酒の勢いもあって傍若無人の振る舞いをして顰蹙を買う様を目撃したことがある。日本人は一人旅だと紳士淑女の優等生なのだが、団体で群れをなすと傍若無人になる傾向がある。そんなことを思い浮かべながら、黒田さんの記事を読んだ。
<日本人の韓国旅行で男女の比率が逆転したのはいつだっただろうか。統計を調べると、女性が男性を上回ったのは2008年からだ。韓流ドラマの人気などで女性の観光客が急増した結果である。
しかし昔は韓国旅行というと“男性天国”などといって男中心だった。その結果、笑えない悲劇的エピソードもあった。
たとえば1980年代にあったホテル火災で日本人男性客が亡くなった。しかし連絡を受けた留守宅の奥さんは「主人は九州に出張といって出かけた。韓国に行っているはずはないのですが…」というのだった。
昔は日本人男性のこんな“お忍び韓国旅行”が結構、盛んだった。それが今や観光では女性の方が圧倒的に多いのだ。ソウルの繁華街では日本女性の姿がたいそう目立つ。
まだ女性客が少なかったころ筆者はソウル発でこんなコラム記事を書いた。「韓国での日本イメージ改善のためにもっと日本女性に来てほしい」と。
韓国では昔から反日ドラマに登場する日本人は、悪いのは男であって女性はいつも「良い日本人」に描かれていた。「優しく愛嬌(あいきょう)があって礼儀正しい」というのが韓国での伝統的な日本女性のイメージだったからだ。これは日本統治時代からの口コミでもたらされた“古い日本女性”のイメージでもあった。
そこで「とくにおばさま方に来てほしい」とお願いしたのだが、今や韓国旅行客の中心はそのおばさま方になってしまった。これは実に喜ばしいことなのだが最近、困った風景を見かけ戸惑っている。
地下鉄で買い物バッグを持った日本の中年女性5人と居合わせたのだが、その大声のおしゃべりに驚いた。まさに傍若無人で韓国人乗客も顔をしかめるほどだった。
この後、日本からきた知人の大学教授が、最高級ホテルで目撃した風景として紹介してくれた話も似ている。やはり中年の日本女性一行で、朝食の際のおしゃべりがものすごく、周囲のひんしゅくを買っていたというのだ。
若い女性では“整形観光”でやってきて、結果の出来栄えがよくないと病院で暴れる事件があった。病院の“非常ベル”まで押したというからすごい。
一方、韓国人の日本旅行の方は大震災後の風評被害や円高で激減し、いまだ回復していない。そこで溝畑宏・観光庁長官が今週、韓国を訪れ日本PRの記者会見を開いた。その際、韓国へのサービスのつもりか突然、韓国の国歌を拙い韓国語で歌ってみせた、と話題になっている。
日本の政府高官が記者会見の余興(?)で相手国の国歌を歌うとは…。役人らしくない型破り、あるいは愛嬌で親近感を出そうとしたのか。韓国のマスコミは“親韓派”といって喜んでいたが…。
しかしこれは軽すぎないか。商売のためにこびを売る感じがする。こちらも品のない日本人の風景で戸惑っている。(産経)
杜父魚文庫

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