8972 欧州で企業買収の大攻勢かける中国企業  宮崎正弘

この「ユーロ安」につけ込め、中国企業は欧州で企業買収の大攻勢。海外で207社を買収し、430億ドルを注ぎ込んだ「龍の鼻息」は荒い。
欧州で目立つのは旧正月休みを利用した中国人観光客の群れ。グッチ、オメガ、ディオールと手当たり次第に有名ブランドを買いまくり、このため各空港の免税手続きカウンターは中国のツアーで長い長い列ができる。
じっと辛抱強く一時間待っても順番が来ないうえ、中国人が横から列に入るので、そのまま免税手続きをしないで帰国する日本人観光団が多いそうな。
さてユーロ安は観光客の激増ばかりではない。中国企業は片っ端から欧米で老舗、名門、大手、有名企業の買収を展開している。
2010年には25件の大きなM&A(企業合併・買収)が記録された。2011年は、44件と激増し、中国が海外で買収した企業はじつに207社、合計430億ドルを注ぎ込んでいたことが分かった(英紙ファイナンシャルタイムズ、1月17日付け)。
とくに注目を集めたのはCIC(中国国富ファンド)がドイツGDF社に投資した42億ドル。ほかにも独ベーダディオン社、ノルウェーのリリケン社、ポルトガルだけでも35億ドルを数社に投資して、その龍の鼻息の荒さを見せつけた。
「円高」に悩む日本企業も負けじとばかりに欧米で、或いはアジア諸国で派手で大規模な企業買収を手がけているが、中間業者斡旋のコンサルタント、マーケッティング、ロビィスト、法律事務所などの悪質な詐欺に引っかからなければ良いが、と祈ります。
杜父魚文庫

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